大容量の外付けHDDを購入して、日頃からファイルのバックアップはしっかりしてきたつもりだったのだが、ここ数か月はおろそかになっていた。
バックアップが手薄になった理由の一つは、SSDの換装で使用しているPCのストレージ容量が増えて、使わないファイルをHDDに移す必要が減った。もう一つが大容量のはずのHDDだが、残容量が少なくなっていた。4TBのHDDの残容量が100GBちょっとになっていて、そこに次々とバックアップ用のファイルを入れるのを躊躇していて、バックアップ待ちのファイルが溜まっている状態だった。
先日、PCのファイルを整理した際に、そのバックアップ待ちのファイル類を誤って消してしまった。ほとんどはバージョンが変わってオンライン上でダウンロードしたソフトのインストールファイルだったのだが、それ以外にストレージ上で普段大して使用しないのに容量を占有していた旅行時の写真を一挙に消した。その中に、まだHDDに移していなかったものがあった。
ファイル回復系の設定はWindowsでしていなかったし、ゴミ箱を経由せず大容量のために直接消去する選択しかなかったフォルダだったので、Windowsの設定から回復できるかも疑問だった。急遽あれこれ検索して、ファイル回復のソフトをインストールして動かしてみたが、処理に時間がかかりそうだった。そのとき、ふとスマートフォンに入れたSDに写真ファイルがあるかもしれないと思い出した。スマートフォンで撮影した写真をUSBケーブル経由でPCに取り込んで、写真を項目ごとのフォルダに整理した後でスマートフォン上からSNSなどで利用することを考えて再度スマートフォン側にそれを転送したことを覚えていて、削除した写真の大半はその時までに撮影したもののはずで回復ソフトを動かすまでもないかもしれなかった。
スマートフォンのファイル管理アプリでSD上のフォルダを見てみると、確かにHDDにまだバックアップしていなかった写真のフォルダがあることが分かった。そこで、回復ソフトは処理を中止して、USBケーブル経由でスマートフォンから写真フォルダを読み込んでHDDに保存した。失われた写真はほぼこれで回復できた。日頃のバックアップの習慣のすきを突かれたようなファイル喪失だったが、結局バックアップの習慣で助かった形になる。
