めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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宇久島のメガソーラー計画の無謀さ

五島列島宇久島に大規模なメガソーラー発電所を建設する計画があるという。最近、風水害のたびにソーラーパネルが破損したり、火災が起こるとほとんど消火活動の効果が無く、自然に鎮火するのを待つしかないような現状を見ていると、過疎地で土地が余っているからといって安易にメガソーラーを建設することの害が出てきているように思える。

そのメガソーラーを離島に建設しようとしている。長崎県の離島はどこも高齢化と人口減少が進んでいる。台風が来たときはもろに強風が直撃する。いわゆる「神風」の地に近く、元寇が壊滅したほどの威力がある。だから、基礎工事が甘くて風を受けたらそのまま舞い上がるような大判のパネルは台風ごとに被災するのは目に見えている。

そして、離島は災害への復旧体制に問題がある。地域の消防はそれほどの規模が無く、基本は地域内の消防団の動員に大きく依存している。その消防団も人口減少と高齢化で限られた地域の高齢者ばかりで機能停止は時間の問題である。そもそも地域の消防署に大規模火災を鎮火する能力は無い。鎮火するにしても、都市部のように大きな川の下流にあって大規模な浄水所があるような場所とは違う。せいぜい全周数キロで高低差も大してない島では河川はすぐに海に流れてしまい、水源地もろくにない。大人口を抱えるだけの水道供給ができないような地域で、消火のための水資源もコンクリートで作った水溜めからポンプで散水するような防火水槽が関の山である。

それでも、メガソーラーの設置業者は単に地域のインフラにタダ乗りすることしかしない。土地がタダ同然で高齢化と人口減少で反対勢力の力が弱いので押し切って進出する。設置してからの利益は都市部の本社がすべて持っていき、地域には何ら還元はされない。建築物ではないから杜撰な設計でも設置でき、従って固定資産税は自治体に入らない。単にパネルを置いているだけなので地域に雇用を生まない。もちろん、消防体制の拡大や維持のための負担も負うことはない。簡単に使い捨て出来る場所だから離島の宇久島を選んだのである。

メガソーラーのパネルの被災以外に、蓄電するリチウムイオンバッテリーの発火が生じた際には島全体が丸焼けになって鎮火するのを待つしかない。かといって、地域の消防署の拡大は望めない。そもそも消防士のなり手がいないし、それだけの財源がない。メガソーラーの運営会社は負担はしないので、何かあると地域が損失を受けるだけである。九州地区には玄海原発川内原発がある。それらをフル稼働させれば離島を疲弊させてまで無理な開発をする必要は無い。

宇久島にメガソーラーが進出するなら、鹿児島県で起こったようなリチウムイオンバッテリーの火災になる前に夏場の台風で「神風」クラスの風がパネルに直撃して、元寇のように何回か進出しつつも最後懲りて撤退すれば、ある意味再生エネルギー(笑)を撃退した第二の神風として日本史に残るのではないだろうか。