めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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猫だらけの島の歴史的経緯

特に観光資源は無い日常生活空間なのだが、猫の島などと言われて猫目的の観光客を集めている地域がある。大抵は島が多い。

島に猫が多く飼われているのは歴史的経緯がある。島は外部と隔絶された空間である。その中で、昔なら自給自足に近い形で島内で食糧生産して、農閑期は備蓄食糧を切り崩して生活してきた。

備蓄するにしても、離島に電気が来るようになったのはここ数年のことであり、あったとしても電灯用がメインで冷蔵庫を動かすには到底足りない電圧だった。漬物や乾物の他に、塩蔵されていた。魚はより日持ちさせたり食べる部分だけ塩蔵出来るように練り物加工という選択肢もあった。芋類は畑に穴を掘ってムシロを敷き、その中に埋めて貯蔵していた。

農作物を貯蔵するにも密閉には限界がある。また、衛生管理の意識が低かった時代には残飯の処理が杜撰だった。畑の一角に堆肥用のコーナーを作って捨てたり、魚の餌になるだろうと側溝に捨てていた。

ある意味、食糧豊富な環境なので、それに群がるネズミが増殖し、その増殖がネズミ算的に加速して定期的に大量発生し、備蓄食糧を食い尽くして飢饉になる事態もあった。

そこで、島ではネズミ駆除目的に猫を飼育するようになった。その後は衛生管理の概念が入り始め、島嶼部や山奥も電気が来るようになって家電で生鮮品を備蓄するよ
うになった。そもそも猫はあまりネズミを駆除しなかったようで、他の動物を試した島の事例もある。

これは海の上で孤立した密閉空間の船でも同様の事が言えた。船に紛れ込んだネズミが食糧を食い尽くして、長期航海に支障をきたしうる。漁村に猫が多いのは魚を食べる為ではなく、船で飼っていた名残りである。

今、猫の島などと言われている地域は一見のどかに見えるが、過酷な環境だった歴史的経緯を抱えているのである。生活環境がよくなって猫だけ残った。