めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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沖縄の構造的問題

沖縄県の高校生の間でビットコイン投資詐欺が横行していて問題になっているそうだ。

通常であれば、まともに就労して給与を得たほうが一番だとか、一攫千金など夢見ないで堅実に暮らすべきだという意見がこうしたニュースのコメントに付いてくるものだが、こと沖縄県に関してはそうも言えない面がある。沖縄県の教育水準は低く、まともに通学して卒業しても進学先が見劣りするところしかないし、高校卒業後に就職するにしても県内に大した産業も無いことから、沖縄県で教育を受けること自体が人生のハンデとなっている。その下には中退者がいる。

良い大学に行くのがすべてではないというが、社会をリードする層はあるレベル以上の高等教育機関へ進学している。まず、そのスタートラインへ立つことができない。高校卒業後の就職は大抵が学校を通じた斡旋であるから県内の企業がほとんどになるのだが、沖縄県の産業の多くは米軍基地やその対策の公共事業、観光客に依存しており、その時の社会情勢や経済情勢に簡単に翻弄される仕組みになっている。その中で正規雇用で就労できたとしても、給与は全国の下位レベルの水準である。そして、狭い地域の中で限られた雇用しかないため、その下には正社員にあぶれた非正規雇用が沢山いる。

沖縄県でまじめに学校に通ったり、まじめに就労するとはそのような境遇を意味しているのである。堅実さを説く者はそのような不利な環境には大抵いない。都市部で不自由ないインフラが整っているところで暮らし、高等教育を簡単に受けられ、経済的にも安定している。だから何とでもいえるわけだが、沖縄県で暮らして働く限りはみじめな境遇が一生確定している。この状態を巻き返すには、外部に出て勝負するだけの知力も経歴も技能も無いので、一攫千金に走るのだろう。ある者はビットコインであるし、ある者は中学生にして暴力団の付き人となり、県内のブラック企業で搾取する側に立とうとするのである。

すこしばかり社会問題に関心があるならば、沖縄県の子供の貧困の話はネットニュースで見たことがあるだろう。沖縄県の雇用や給与水準から言えば、貧困家庭の問題のみならず、県内全体に行き詰まり感と閉塞感がある。そんな現状からすると、ビットコイン投資詐欺にはまる沖縄の高校生たちを批判する気になれない。この話は何も沖縄県に限らないのではないだろうか。地域内で暮らす若者たちが将来に希望が持てないような行き詰った地方は全国にある。そういったところでも起こりうる話である。