めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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愛知医科大学の入試採点ミス騒動に思うこと

既に受験シーズンは終わって、あちこちの学校の入学式はとっくに終わった時期なわけだが、毎年大学側の手続き上のミスで起こる騒動というものがある。2024年度入試では、愛知医科大学という私立大学で大学入学共通テストを利用した選抜で本試験に進める受験生を選抜する過程で、大学側のPC操作ミスで間違って80人近くが不合格扱いになり、その事後対応として不合格となった受験生に受験の機会を与えたのだが、その試験日が国公立大学入試の前期日程に当たったというものだった。

この騒動でネットではあれこれ騒がれて、愛知医科大学が批判されたのだが、批判しているのは外野ばかりであり、当の受験生は冷静に受け止めていると思われる。私大医学部の受験生は国公立大学の受験は初めからせずに私大だけ受験して回る者が多く、大学側も試験日を国公立大の日程と重ねることは普通である。国公立大学との併願者のためには別の日程も設定しているのだが、国公立大学の日程と重なる入試では受験生の競合が無い分だけ試験の難易度が下がるという。私大医学部の受験生は他の大学も何校も受験していることが多い。それなので、愛知医科大学がだめなら他に行くという切り替えで他大学を受験したほうが、下手に動揺するよりも余程合格を確実にする。私大医学部は総合大学と違って問題作成できる教員が限られているので、入試問題はマニアックな内容で、年度や大学で大きく変動して当たりはずれが大きくなる。だから、たまたまダメだったで受け流して次をポジティブに挑むスタンスは自然である。

愛知医科大学でないと困るような事情があるならともかく、ほとんどの受験生には試験日程が変更になろうが影響は少ないと思われる。愛知医科大学が本命の受験生は大学側が提示した日程で受験すればよい。新設でさしたる歴史が無い大学で、立地が辺鄙な場所にあり、入学に必要な費用や卒業までの6年間の学費や校納金の合計額を見たら、同程度の負担でもっと名門校に行けるし、便利な場所の大学もある。私大医学部の受験生はそれが分かっていて何校も受験していて、合格したところに入ろう程度の感覚で受験するところである。そこで必要以上に動揺して、唯一の機会が大学当局の都合で握りつぶされたが如く思い詰めるような受験生は、まず己の学力に向き合うべきである。医学部の受験生は、合格する層と合格に近い層で合格枠を取り合う。そこに若干賭け的な確率で合格する層、どうやっても合格しない層で構成されている。トップ層とトップ層ぶっている者が受験に来たら、まずできる層は確実に問題を解答していく中での失点の差の多寡になるので、確実に解答できない層は試験の場にいないに等しい。 合格する層ほど、愛知医科大学のニュースみたいなのがあっても動揺せずに対策できている。合格候補者の場にいない層ほど、自分の不出来は放置して大学側の采配が悪いとか大騒ぎし続ける。いくら騒ごうが次年度の優秀層が注ぎ足されるので、そういった連中が日の目を見ることは無い。 今回の騒動で、大学側は受験料を返還すればよかったのだと思う。ただ、一人6万円くらいの受験料収入を80人分死守したいので、形だけ入試を挙行しようとしたために、傍目から見ると無理な日程になったのだろう。もう一つは、愛知医科大学側が何か隠していないかということである。点数のデータは大学入試センターからデータとして送られてくる。おそらくExcelCSV形式のファイルと思われる。これを単に受験生ごとに落とし込むのにプログラムのミスは考えにくい。ミスで不合格になった80人以外は問題なくプログラムが動いたのだし、よくあるソートで名前と受験番号が対応しない形で並べ替えたといったものでもないことが分かる。女性とか過年度卒業生とかを差別するマクロを組んで、例年通り稼働させていたことに後で気付いて採点ミスということにして誤魔化した可能性である。真相は表にならないだろうが、6年間の出費ができるが国公立大学医学部には進学できない、富裕層の落ちこぼれ同士の競争の話だから、実直に生活している分には何ら関係ないことである。

中部地区の大学受験といえば、名古屋市立大学の薬学部の入試日程には特色があることを思い出した。全国の大学の中で珍しく中期日程に試験日を設定している。この試験の風景が大変シュールなのだそうだ。学科試験中に前期日程の合格発表があるので、前期日程で合格していた医学部や本命大学の薬学部狙いの受験生が試験途中でいなくなるという光景が毎年見られるという。ここで入試を放棄して帰宅し、入学手続きの準備ができる層になるような受験をすれば、無用な騒ぎに巻き込まれることは無かったのである。