めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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陰謀論というバカ発見機

正直理解に苦しむのだが、しなくてもよいところで見栄を必死で張ろうとする者がけっこうな数でいる。そう振舞えば「よく知っている」と褒められるとでも思っているのか、専門家の前で根拠のない陰謀論を延々と披露したり、専門家の提示する方針を否定して自論をぶち上げて通そうとしたりする。

例えば、病院を受診するときに延々と訳の分からない発言を続けて医療スタッフをうんざりさせる者である。週刊誌などに書かれている飲まないほうがいいと書かれている薬剤を拒否するのだが、何の根拠で拒否するのかを具体的に言うことができず、最悪の場合は見出しだけ見て聞きかじった内容でそう言っていて、肝心の記事本文にはそんなことが書かれていないといった例である。その言動を続けた末に、必要が無いのに特定の薬剤を処方しろとか診断書の内容に口を出して指定する病名を書かせようとするといった脅迫まがいのことまでしたり、医学会と製薬会社の陰謀なるものを延々と語るといった言動である。

こういった連中は少し突っ込むとボロが出る。陰謀の具体的内容や手法や効果の数値や情報の出どころ、薬剤が有害だとする根拠の情報や有害事象の発生率、メカニズム。人数の多い集団の中で起こった事象について、数字で具体的に比較したうえで評価・判定したという情報が提示されることはまず無い。本に書いてあったならば、その本では何を根拠にそう書いてあったのかとか、その根拠の資料から本当にそう判断できるのかとか突っ込んでもよく、大体は情報元を提示できない。何かの内容を覚え込んで賢いふりをして棒読みで吐き出しているにすぎず、そこに物事の真贋判定をするだけの理解力は伴っていない。また、「みんなが言っている」と逃げ口上を使ったら、具体的にみんなとは誰かを聞く。複数人いるのだから、どのような関係性の誰がそう言っているのかは一例くらいは提示できるはずである。提示できないならば、存在しない「みんな」の声が脳内に届いて、妄想で迷惑な言動を繰り返していることになる。

延々と主張を繰り返されても対応する時間の無駄であるから、厳しく突っ込んで黙らせることで本題に入ったり、よその主張を受け入れてくれる優しい(?)ところに行くように促して追い出す上では有効である。ただ根本的に効果は一時的で根本的な説得効果は乏しく、見栄を張って賢いふりをする手段として陰謀論にすがりつくような者はそのままなのだと思う。本当に賢いならば、人の話をきちんと聞くし、そこから理解して学んで行動につなげていくし、その行動が適正か評価する視点を持っている。賢いふりをする者は人の話は聞かないし、自己主張をまくし立て、情報の理解度が低いので手近な陰謀論に飛びつけば体面が取り繕えると信じ込んでいる、その程度の人達だ。

だから、近藤誠医師(故人)の本の内容とか週刊誌の飲んではいけない薬特集などの内容を見て・・・というよりは本文は恐らく読んでいない程度の断片的聞きかじりの情報を妄想で組み合わせて、過去の死者含む罹患者の大人数のデータに基づいて策定された標準治療を否定して、治療を否定して自分は賢いと思いこんだまま周囲からは距離を置かれているのにガッツポーズで命を落とした人は相当数いると思うが、近藤誠医師や無責任な週刊誌を否定するのは良くないのである。売り上げが減っている書籍業界に生き残ってわずかな印税収入を長く続けるために、きちんと掲載する上で法的にギリギリの線を狙って責任追及されないように書いているだろうから、内容を理解・吟味しないで読んだ側が悪いのである。そういった者は他の部分でも悪いことをしている。元々周囲の人達を信じずに見下して、自分が賢いと思い込んでいた。一番近しい人の説得は耳を貸さずに見栄を張る上で都合よさそうな情報が満載だった陰謀論的な情報のほうを選択したのである。つまり、社会的に窮地になるバカッターと違って致死性のバカ発見機に見事検知された淘汰対象に過ぎないのである。

近藤誠医師は自身が癌になることも無く心不全で死んでしまって、自身の癌理論を自分で実践する機会はついぞ無かったが、今後も致死性のバカ発見機を仕掛けて見栄っ張りの嘘つきを搾取しながら淘汰していく仕掛けは誰かが仕掛けて、社会の治安が一定保たれていくのだと思う。