JR東日本の新幹線で、座席テーブルに自社のサービスの案内をするNFCタグを入れたシールを張ったところ、テーブルに置いたスマートフォンが反応してしまい勝手にサイトにアクセスするという誤動作トラブルがあったそうだ。
30年くらい前だと、そこに置かれるのは弁当とか書籍とかだったのかもしれないが、一人一台情報端末を持って当たり前の時代ではスマートフォンなりゲーム機なり電子機器も多く置かれている。この電子機器は今回問題になったNFCタグのほかに磁石でも反応することがある。例えば、ラップトップPCの開閉でシステムをスタンバイ状態にするために、蓋の部分に磁石を仕込んでおいて付着の有無で開閉を判断するような使い方である。
先日新幹線でタブレットとBluetoothキーボードを使用した時は、タブレットのカバータイプケースの留め具の磁石を付着させる受け手の鉄板部分に折り畳み式キーボードの磁石が反応してしまい使用できないトラブルがあった。街頭の看板でQRコードの代わりに使用ならば、近くを通ってもスマートフォンと距離が極端に狭まることはないから誤動作のトラブルはないだろうが、テーブルのような機材を置かれることが想定されるような場には余計なものを入れないのが今後の設計上の配慮の一つになる時代となっているとも言える。
ゲーム機のすれ違い通信のように、街頭で広告情報を配信して通りがかりのスマートフォンに受診させる技術は10年以上前からiPhone系であるはずだが、AndroidよりiOS系が優勢な日本でもそこまで普及していないのは、それが迷惑ととられると企業が理解しているからだろうし、そんな技術があるのに新たにNFCタグを利用した広告配信などしたら余計批判されることは分かっているはずなのである。
