めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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「自然が一番」なんて怪しい

健康を語る輩の自然な状態への絶賛は胡散臭い。「自然が一番」という価値観のもとに薬や手術を拒否する。

これはよく考えてみれば、画期的な方法でもなんでもなく「未治療」と言われる状態である。したがって、その信念が病気の治療にどの程度資するかを検証するには、十分な治療法や薬剤が開発されていなかった時代の平均寿命や、特定の病気の死亡率を調べてみればよくわかる。勿論、昔を検証しなくても発展途上国のデータでも似たような数値は出てくる。

そうすると、今どきの先進国なら簡単には死ななそうな感染症が死亡原因の上位を占めていたり、自然が人間を淘汰する力の強さを思い知って「自然が一番」とは思わなくなる。それでも実践したければ実践して自己責任で結果に納得すればそれでよい。自然なお産がしたいならアフリカの原住民の生活環境に渡航して出産すれば良い。出血や感染のリスクに直面するだろうが、自然とはそのようなものだ。

ところが恐ろしいことに、この「未治療」を自分だけで実践するならともかく、赤の他人に強制するような輩がいる。特にお産や小児科や精神医療の分野に多い。

身体が出来かかっている時期を狙い撃ちにしたかのように胎児や小児をターゲットにしたり、長期に罹患して解決方法もなく判断力が弱っている精神病患者をターゲットにしたり、明らかに意図的である。下手すれば一生モノの障害になったり、自殺のリスクもあるのに野放し状態だ。そしてそれが目的、即ち、健康法を強制する相手の健康や財産や幸福を奪うため事が目的に思えてくる。

子供や胎児は自分で健康法を選択できない。そこで、親の不安を煽る。カルト宗教と同じで、彼らの自己完結した世界観の中に引きずり込めば、思考の改造は容易である。薬もワクチンも陰謀だと唱えるナントカ教授や小児科のナントカ先生なんて小道具を持ち出せば、その世界しか接点のない無知な親は簡単に騙される。

こうして通常の医療の代わりに強制されるのは、医学と違って何ら効果に検証のされていない手法(、大抵は特定の食材を摂取するなどの方法、)であり、それらは大抵悪だとかもうけ主義だと強制してくる者が批判する治療法よりも高価で効果が無い。そして、冒頭のように人類史の過去を振り返ってみれば、有機栽培に西洋医学なしが当たり前の時代の平均寿命は元題よりも短いし、現代社会で有機栽培がもてはやされる様になってからの日本の平均寿命を見ても横ばいで、健康や長寿には寄与していないという結論になるのである。

もし、この方法で健康を損なったら強制した彼らは責任を取ってくれるのかといえば、それは疑問である。その時になって梯子を外されて絶望させられるのがオチである。一般の医療ならば、まだそこに至る根拠が添えられるだろう。この種の怪しい健康法は、その時になって何の根拠もなく思い込みで暴走していたことが露呈するだけだ。そして、そんな怪しい方法に手を出した自分自身の自己責任として処理されるだけだ。

世間一般の人たちは、そんな健康法は相手にしないし、手を出そうとしていることが知れたら止めてくるだろう。それは製薬会社や医学の陰謀に騙されているのではなく、実は正体を見抜いている賢さからである。