めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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モノの妥当な価格

一年の中で納期が特定の時期に集中していて、それ以外は暇になる業種というのがある。学校の制服とか正月の餅や縁起物を作る業者などだ。その特定の納期の時期は業者の勝手でずらせないし、前もって生産して備えておけばよいかといえば案外納期に近い時期に注文が集中する。例えば、学校の制服は合格してから発注するだろう。

それゆえ、この種の特定の時期に一気に注文が来る業者はその時期だけ生産設備や販路をフル稼働する必要がある一方で、それ以外の時期には次のシーズンが来るまで生産設備を遊ばせる必要が出てくる。そのために、お正月のご祝儀価格とか言われるような一般の物と比べれば若干高価な価格設定がされている。

先日、ある新聞で学校の制服が高いという記事が載せられていた。一日当たりで割って文句を言っている連中が浪費している金額に比べれば大した額にはならないだろうに、今の社会はそんなものまで敵視するようになっている。文句をつけている者の生活の中には既に季節感が失われているのかもしれないが、制服の業者に限らず観光業でも農業でも特定の季節だけ到来する繁忙期に備えた過剰投資と、それに対する収支をとるために多めの価格設定をするという仕組みというのは様々な業種であると思うのだ。

それは制服の価格に文句をつけている保護者の家庭の生計手段がそれかもしれないし、同級生の家庭がそうかもしれないのだ。すべての季節で均等に需要があり、コンスタントに売り上げる業種のほうが珍しい。勿論、高価だと文句を言っている物品を中国辺りで生産させた大量生産の既製品に置き換えればよいのかもしれないが、結局特定の時期に需要が集中するという現状は変わらないので、結局オフシーズン期の生産設備の遊休問題を自分たちの見えないところに持って行っただけで問題の解決にはなっていない。

その現実を直視できず、値段が高ければ何でも文句を言えば正義であり、強大な何かと戦っている気分になっているのだとすれば見当はずれで、実は自分たちの就業している業種を自分たちで攻撃しているに等しい。