めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

ADs

TwitterJP解雇騒動に見る、「コミュニティの一生」コピペの教訓

ネット掲示板で、「コミュニティの一生」というコピペを見かける。これは、少数の者たちが集まって面白いことをしていると、スキルも発想も無いつまらない連中が集まって来て、なおかつ団体内で主導権をとろうと画策してつまらないことを始めて、結局コミュニティ全体がつまらないものになって最初に面白いことをしていた人たちは去り、つまらなくなったコミュニティは消えるというライフサイクルを示している。そのコピペを思い出すような事例が最近世界規模で起こった。実業家のイーロン・マスクによるTwitter買収と、その後の大量解雇をめぐる一件である。解雇の対象となったのは主にマーケティングなどをしているとされる部署だったが、そもそもマーケティングをきちんとしているとは言い難いような広告主ばかりで、会社は赤字が続いていたはずである。そして、それらの部門は不相応に人が多かったようである。日本でもTwitterJPのアカウントを運用しているチームがごっそり解雇されたようである。

Twitterの大量解雇以後、不思議な現象がみられるようになった。散々トレンドに出ていた、キャンセルカルチャーを主導するようなツイデモと呼ばれるような政治的で扇動的な主張のタグが消えた。例えば、ナントカを求めますだの、自分の意に沿わないものの追放を煽るものだ。そのほか、キーワードでも反自民党とかLGBTとかの主張に頷きを強制するようなワードも減った。正直、私はツイデモなるものについては不自然な情報工作をかねてから疑っていた。すなわち、少数が多数を装ってあたかも大衆全般の総意であるかのように偽装し、特定の主張を通そうとする工作活動ではないかという見解を当ブログでは書いていた(2022/08/15, 2022/08/17のエントリ)。今回の変化で、解雇された社員らが何かしら情報の流れに人為的な操作をしていた可能性が高くなった。

これについては、Twitterのニュースを紹介するコーナーでハフポストなどの一部の思想が偏った報道姿勢のメディアは優先的に掲載されるコネクションがあるらしいことを関係者があっさり書いていて、情報操作の存在がいよいよ否定できなくなった。一部の主張では、トレンド操作に関しては恣意的な操作はニュースへのキュレーションだけで、そのニュースに即してユーザーが反応するのでトレンドは操作されていないというものがあった。ところが、誰もが見るようなニュースの内容を受けてトレンドが変わるという説に反することが起こった。Twitterの解雇騒動のタイミングで問題になった葉梨法相の失言問題で、いつもならば出てくる「#葉梨法相の辞任を求めます」などというタグがトレンドに出てこなかった。一方で法相の死刑をめぐる発言は散々トレンドに出ていたので話題のコアの一つだったのは間違いなかった。それでも、ツイデモタグが上位にのぼることは無かったのだった。解雇されたTwitterJPチームによる情報の恣意的操作はトレンドにも及んでいた可能性が高いし、自民党や保守の言動には揚げ足取りで攻撃的で他罰的で、野党やいわゆるリベラル派の失態には蜜のように甘く擁護するツイデモは、民意でも何でもなくて恣意的にTwitterJPによって仕掛けられて世論操作に誘導していた可能性がある。

ネットユーザー、とりわけTwitterJPによって恣意的にシャドウバンやキャンセルカルチャー攻撃を仕掛けられたと思われる人たちは、情報操作の疑いについて「やっぱり」という雰囲気になっていて、ここ数年の異様なネットの世論操作めいた不自然な盛り上がりや、その動きの過激化・先鋭化に違和感を抱いていた人たちが多かったことを改めて思い知らされた。ちょうど、旧東欧諸国が解体されたときに秘密警察の所業が暴かれて赤い貴族が袋叩きにされたり、残党がゲリラになって市民を襲撃していた混乱の時期を思わせるようなことを、いち民間企業がしていたのである。しかも、いかにもやっていそうなGoogleとかではなくTwitterがやっていたのだった。情報操作によって起こさなくてもよいような社会の対立と分断を起こして煽り、それに対して意見する人たちや有名人たちが参加して言い合いをするような格闘技イベントのような見世物の場を人為的に作り出し、広告収入を得ていたのだとすれば悪質どころではない。

この世論操作には追及すべき黒い疑念がある。それは安倍晋三元首相の銃撃事件のことである。TwitterJPが主導する憎悪を煽るようなトレンド操作やチェリーピッキング的な情報へのキュレーションが行われていなければ、正当な評価がなされて銃撃事件は起こらなかったのではないだろうか。憎悪を煽ったりバカにする言動をエスカレートさせていくうちに、アベに対して何をしても許されるという発想を醸成させ、単に最初の一発を放ったのが山上何某というだけの時間の問題で、銃撃事件後に安倍晋三元首相の訃報を大喜びしていた野党や政治活動家らがもっと先陣を切っていたかもしれないのではなかろうか。

それから、一見肩入れをしているように見えるリベラル派も被害を受けている。例えば、立憲民主党はTwitterJPが仕掛けた言論プロレスイベントの見世物のフレーズを本当に大衆が問題意識を持っているトピックだと勘違いしてしまい、重点政策としてモリカケだの桜を見る会だのウィルマさん問題だのを掲げた結果選挙で惨敗して党勢が先細った。また、情報操作して表示されたツイデモタグやトレンドのワードに毒されたリベラル派は本当は何も起こっていないのに、自分たちの思っていることが実際社会の重点事項だと誤認したり、そこで叩かれているのはプロレスイベントの悪役軍団みたいな本当は悪くも何でもない普通のものなのに、それを叩く見世物に加わって大きなものに所属した気になって虚栄心を満たす。そのために主張がどんどん極端で攻撃的なものに向かい、何も知らない大衆がいきなりそれを見るとグロテスクなものを見たように驚くような方向性になってしまった。

この情報操作はTwitterJPにいた「つまらない連中」がお為ごかしで仕事しているふりをして自分の立場を保つために行われていた。社員としての勤務実態は一日Twitterを眺めて4時間で、それ以外はヨガをしたり飲み会に興じたり、市民団体の活動に参加していたとか、あれこれ書かれている。どこまで本当かはわからないが、退職者のTwitterの内容を見ているとネット企業としてのユーザー的・技術者的な視点は見られず、そもそも自分のPCを持っていないとか、自分たちの提供しているサービスには何ら関心が無くて、潤沢なITバブルマネーをかぎつけて寄ってたかって散財し、企業の収益を得るための活動とか自社のサービスに注入した自分の技術への思い入れみたいなものは窺えず、むしろそういった面白い・居心地の良い空間を作った人たちを小ばかにしながら、空間のリソースは享受しつくすような連中ということは見えてくるものばかりだった。

今回のTwitterの買収は、面白いコミュニティを乗っ取ろうとしたつまらない連中に潰されかかった状態だったTwitterが、ぎりぎりのところでイーロン・マスクの買収によって原点の面白いコミュニティに戻ろうとしている、コミュニティの一生のコピペ通りに行かずに済んだ事例である。何かしら物事を始めるときやコミュニティを創設するときに気を付けなければならないこと、用心しなければせっかくの面白い空間を失いかねないこと、コミュニティを長期的にうまく運営するときに注意しなければならない教訓がここにある。