めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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中村哲医師の報道で感じたモヤモヤ

10年ほど前に北九州市若松区河伯洞というところへ行った。作家火野葦平の旧居であり、当時は息子が居住しており、ご家族の方に案内していただいた。その際、アフガニスタンで井戸を掘削する活動をしていた中村哲医師の書籍が展示されており、親族ということを知った。

その中村哲医師が活動中のアフガニスタンでゲリラに銃撃され死亡した。外傷を負ったあとにとどめを刺されたという情報もあり、やり口が悪質である。

ペシャワール会のスタッフは数年前にも現地人の標的にされて死亡している。その際、中村氏は現地人は穏やかと擁護する発言が見られた。だが、結局本人が擁護していた現地人に標的にされた。表面的にはそう見えても、実際の友好関係や対日感情や外国人の異教徒が土地をいじくる行為への住民感情はどうであったか。

一部の左翼系メディアには、憲法九条が守ってくれたという氏の発言もある。これは、いわゆるリベラル層から寄付を集めるためのリップサービスかもしれないけど、この世代にありがちな政府や大企業が悪で市民活動は何をしようが革命のために正義という思想の延長線上にある、憲法九条絶対視で他国の軍事力やゲリラ戦力には目を向けない、日本国民に向けられた条文に過ぎない憲法九条が天下を世界中の平和を動かしている絶対的なものと捉える思想も窺える。

こういった信念に根拠は無い。自己犠牲精神と粋がって一人で犠牲になるのは勝手である。しかし、生命の危険も考えられるところで、多数のスタッフを抱えて将来的にも継続して活動するのであれば、状況の判断は必要だろう。まともな人がアフガニスタンに観光旅行に行こうとか、現地に移住しようとは思わない。渡航注意が出ているだろうし、ニュースを見ていれば政情不安な土地であるとすぐ判断できる。

ある時代に左翼とかリベラルとか言われる勢力がしつらえた行き過ぎた平和思想に触れているうちに、その思想が自分たち以外でも通じると勝手に思うようになり、正常な状況判断を妨げたのではないだろうか。一人で犠牲になる分には保守から自爆行為と言われて終わりだが、数名のスタッフも巻き込む形の遭難である。中村氏を聖人の様に扱って追悼報道している左翼リベラル勢力は実は犠牲を助長した重い罪を背負っているのではないだろうか。