逗子や鎌倉辺りに自宅を持ち、毎日都心までグリーン車通勤も悪くないと思った時期があった。それで郊外の土地やマンションを探していた。
今は、そのような気にはなれないので微妙に観光地に近い金町あたりに暮らしている。物件もあのあたりと若干高いくらいで価格は変わらない。あの辺りは湘南というブランドと観光地というブランド、海に近いという特徴で物件が高めである。耐震性で考えると湘南の海沿いのマンションは砂地に等しいところに建っているわけで、金町のほうがよほど地盤が強固に違いない。
そういった実態のないプレミアの他に、現実の通勤がつらそうという一面も付け加わる。朝の上り電車を見ているとことごとく満員であるし、グリーン車ですら立ち乗り状態で、密度の低い満員電車のためにグリーン車利用していると思われる人も多い。なにより、都内まで長距離でその時間を考えると短時間だけ満員の常磐線に乗って大手町まで乗った方が余程良いと思った。
現実的に湘南から毎日通勤するのは全然悠長ではないし、身体的にも時間面でも無理なことだと悟ったのである。
実際にその時間帯の電車に乗ってみてそう感じたわけだが、そう考えるとバブルのころに無理やり自宅を購入するために山梨の大月あたりとか、静岡の新富士あたりに家を買って遠距離通勤していた人たちというのは恐ろしいことをしていたものである。そんな遠方から毎日通勤する時間もそうであるし、そこまでして購入した家は郊外で土地が余っているはずなのに小さな家が密集して建っていたり、家のために多額の建設費用も通勤時間も吸い取られていることがみじめに見えてくる。
郊外は住むより別荘感覚でワンルームマンションでも購入して休日はそこで過ごす方がよいのかもしれない。