めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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週刊誌の医療記事の実態

私の周囲に、ある生活習慣病の薬を飲むのをやめたという者が複数いる。その動機は週刊誌に危険だと書かれていたからだという。そこで、その週刊誌の誌面の内容はどのようなものだったのかを聞いてみると、実は誌面を読んでおらず新聞の広告欄の中吊り広告のような数行の見出しを見て決めたのだという。

広告の数行の内容を見てその内容を実行など正気の沙汰ではない。出版社は決して「有益な情報をくれるお友達」などではない。本を売って収益を上げ、かつ売上部数で社会影響力を企業にアピールして、広告収入を得る事を仕事としている。読者に利益や健康をもたらす仕事ではなく、あくまで出版という職業である。投資や健康の有益な情報を本文の掲載誌を購入すらしていない者に無償提供する訳が無い。出版不況と言われる時勢なら尚更だ。

しかも、肝心の週刊誌の内容がひどい。芸能人や政治家のどうでもよい私生活を興味本位で書き立てたり、時には社会的な立場から追い落とす目的で事実無根の内容を大々的に報じることもある。そんなことは分かり切ったことのはずなのに、その低俗なスキャンダルと同じ誌面に書かれている内容を鵜呑みにすれば健康になれると考えるのはどうかしている。ましてや、中吊り広告の何が決定の決め手になったのか問い詰めたいほどである。

週刊誌に書かれている特定の薬剤が危険だとか、特定の投資が儲かるなどという話は、科学的な検証を経ていない内容を極一部が独りよがりに書き立てているに過ぎない。或いは一時的に上手くいっているように見えたので、成功体験だと思って語っているというものもある。一時的に病気が快復したり投資で大儲けして上手くいっているようにみえる話でも、その後を追ってみると投資が詐欺で財産を失っていたり、結局病気は治っていなくて進行していたり悲惨な結末のものが多い。

よくよく考えてほしい。本当に特定の薬をやめたり手術を拒否すれば病気が治るなら、根拠を添えて学術誌に掲載すれば予算の権限を握っており医療費削減したい政府が見放すことはない。世間全体のケースを集めて総合的に検証した内容ではないし、科学的検証に耐えないから週刊誌くらいしか掲載の場がなく、そこで負け惜しみを遠吠えするしかないのである。

この種の話の裏にある理屈に気付かずにマスコミが垂れ流す煽り文句の暗示にいともたやすく乗ってしまう人達は、少しずつ自分の資金や健康を失っていく。時には周囲の人間関係も損なう。若いうちの経済問題は「これからもっと稼げばよい」という更なる経時的な上積みでカバーできる。健康問題も回復力があるので健康体なら大抵何とかなる。だが、経済的にも健康面でも新規の獲得よりは過去の蓄えの切り崩しがメインになった高齢者で同じ感覚でいると、その損失は生存を脅かすものとなる。

また、週刊誌の内容で健康を損なっても、誰も責任を取ってくれない。インチキ医療で金儲けしたい連中は訴訟対策を万全にしてメディア露出するだろうし、ましてや誌面を読んでいない者は自己決定の決め手になった掲載内容を挙げることが出来ないから訴訟提起できない。

それでも信じて実践するのは個人の自由である。あくまで自己責任、世間は誰も同情することなく問題をそのように処理して終わるだけだ。