めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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弱者を見つけ利用するプロたち

自分より弱い立場の者を探す目利きがいる。

弱そうなものを見つけると接近して、いかにも味方であるかのような言動をとって相手の心をつかむ。それに成功すると、相手を服従させて指導者としてふるまう。その指導にかこつけて、相手を利用するだけ利用する。疲弊して何も出せなくなったらその相手は放棄して、別のターゲットを探す。利用された人物が気づいたころには財物も、一生の時間も全て奪われて取り返しのつかないことになっている。そして弱者は一層弱い立場になる。

私自身の体験であるが、物事がうまく行かずに困窮していた時期があった。そのときに支援者と称する宗教や団体が次々と接近してきた。オウム事件の後くらいだったが、普段気づかないところで潜伏していた怪しい宗教が一気に湧いてきたのではと思うほどに、マイナーな団体の名前をその時期に一気に知った。

彼らの支援の申し出は胡散臭いのですべて断った。胡散臭いという言い方は漠然としすぎかもしれないが、彼らの言動のすべてに反発を感じたのである。

無関係の者が馴れ馴れしく振舞って親しい関係をアピールしてくる距離感のおかしさ。つけ入るネタ探しでもするかのように私的な事情に執拗に首を突っ込んで、関係無い者には話したくもない事情を聞き出そうとすることへの不気味さ。そして、相手の歓心を買うテクニックなのか、必死で話を合わせようとしてきて、絶対に理解していそうに無いようなことにも共感しているふりをすることへの苛立ち。

とにかく、全てが気に入らなかった。この当時は自分の事情に手いっぱいであり、精神的余裕も無かったはずなのだが、なぜ冷静に警戒できたのか、今でも不思議である。よほど彼らの言動はおかしかったのだろう。

胡散臭い支援者を追い払ったあと、物事は一層立ち行かなくなった。そうすると、彼らは信仰しないせいと嘲笑したり、否定するのは人格や態度がなっていないとなじったりしてきた。そして、再度しつこい勧誘が始まった。だが、それでも彼らの言いなりにはならなかった。

同時に、支援者を断る私の言動は人に対してすることではないとか、失礼だと言われた。それを言ったのは胡散臭い信者だけではなかった。私が疑問を感じる彼らの言動を親切だと考える、彼らのことも私の事情も何も知らないくせに物事を断罪したり仕切りたがるような無関係の人物もそう言ってきた。

だが、言いなりになるわけにはいかなかった。

彼らの宗教を信じるつもりはないし、本質は弱者を利用する団体だ。取り込まれたら、団体の維持と拡大のために利用されるに決まっている。それは、支援される側は一生弱者の立場のままでなければ、勧誘している彼らは困るのではないかと思った。

支援によって力をつけて自分で物事を冷静に判断する力を取り戻されたときに、経済的に落ち着いて生活に余裕が出て物事や生き方の選択肢が多岐になった時に、独り立ちされる。それでは何のリターンもない。これまで音沙汰なく突然勧誘に来たような連中なのに、見返りを求めない奉仕などするわけがない。

だから、彼らの支援なるものは弱者を弱者の立場に固定するための方策なのではないかという説が頭に浮かんだのだった。一旦彼らの助けを借りると、一生弱者の立場に甘んじて立ち直れない可能性が高い。毎日窮状が一生続くことへの恐怖が強かった。

そして、勧誘してくる彼らは不幸そうだった。勧誘のパンフレットに写真が掲載されている宗教施設は金がかかっていた。パンフレットだって印刷費用が相応にかかっているはずだった。その資金の出どころは信者だろう。だが、目の前の信者を見ていると貧相で、到底経済的に余裕があって余分を喜捨しているようには見えなかった。むしろ、信仰の喜びを名目に、もともと経済的に苦しい中で更に搾取されているように見えた。拝んでいる間だけ幸せで、実生活はそうではないパターンに見えた。

度重なるしつこい勧誘をかわしつつ、その後、これまで上手くいかなかったのは準備期間だったのか、ある時期に軌道に乗って一気に成果が出た。ふと気づいた。あれほどしつこかった彼らが一切身辺から消え、勧誘に来なくなっていた。

本当に私が困っているのがかわいそうだと思い、支援をしたいと申し出ているのであれば、窮状を抜け出せたことは私だけでなく、支援者たちにとっても喜ばしいことであるはずだ。実際、胡散臭い支援者以外にも親しい間柄の人たちの助けに頼ったし、上手くいったときには彼らは自分の成功のように喜んでくれた。(実際、彼らの利益に関わってくることだったというのもある。)だが、胡散臭い支援者たちは祝福の場にはいなかった。恐らく、もはや脅したり味方のふりをすることで、彼らの計画通りに動いてくれて、とことん利用できるような弱者ではないと認知されてしまったからだろう。

今、胡散臭い支援者たちはどこで何をしているのか。恐らく、今も自分たちが操れそうな者を独自の嗅覚で探し出して、とりこんで利用するために必死になっているのだろう。彼らは自分より弱そうな者しか相手にしない。そして、ターゲットにされている人たちは、彼ら団体が思っているほどに弱くはない。