めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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儲け目的の偽装クリニック

ニュースを見ていて、90代の医師が院長を務めるクリニックで調剤薬局が処方箋の内容に勝手に介入して不当に薬剤を処方していたとして薬局の経営者が逮捕されたというものがあった。

90代だとそろそろ自身が様々な病気にかかりそうであるし、正常な認知機能で処方ができるのかすら怪しい状態ともいえる。この場合、このクリニックは薬局が乱診乱療で薬剤を次々処方させて儲ける目的で設立されたところであり、90代の院長はお飾りに過ぎない。あくまで処方箋が作成できるのは医師なので、管理者として雇用されてはいるが、あらゆる実権は薬局が握っているパターンである。こういったお飾り院長は自身が後期高齢者の病人であることも多く、認知機能障害があったり、診察中に失禁することもあるそうだ。

このニュースに限らず、全国には薬局が金儲け目的で設立した医療法人や個人医院開業支援コンサルタントを称するブローカーが同じような儲け目的に設立した医療法人が沢山ある。形態はさまざまである。今回のニュースのように医師以外は全て彼らが用意することもあるし、彼らがビルオーナーや敷地オーナーを務めている医療モールのようなところに格安で入居させて、その見返りとして調剤を独占する取引をすることもある。あるいは、開業したいという希望に沿う形をとって借金漬けにして実質は薬局やブローカーがオーナーとして経営を取り仕切るという例もある。

薬局経営者が逮捕された90代院長のクリニックのニュースは、そういった医療にはびこる闇の背景を大して掘り下げずに沢山のニュースの陰に隠れて忘れ去られていくのだろう。

問題は、日本の医療は保険医療が基本であり、その多くを公費が担っているという点である。現役世代の場合は7割は健保運営や公費から支出される。高齢者になるとさらに公費の比率が上がるし、生活保護は全額公費である。健保運営団体の財源は就労している方々の所得である。収入の中からバカにはできない割合で健康保険料が引かれている、あれである。公費の出どころは税金である。収入から引かれる割合はこれもバカにはできない。給与所得の場合はそれらが引かれた額を支給されているから、負担感を感じないように感覚を麻痺させられてすっかり慣れてしまっているが、医療費の出どころはほかでもない自分たちだったのである。

今回ニュースになったような偽装クリニックはそういったところから拠出された医療費を不当な方法で懐に収めているのである。コンビニでアルバイトをしても1000円ちょっと、最低賃金が安い県だと700円もいかないようなところもあるというのに、90代のボケかけた老人が2-3分で発行する処方箋で何万円もの薬剤や調剤費用を売り上げる。表向き医療行為なので深く追及されない。

医療機関にかかるときに、こういった背景を知った上でよく観察してみるとその辺のクリニックからも闇が見えてくることだろう。