めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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京急の駅名変更と高輪ゲートウェイ駅

京浜急行が2020年3月に数か所の駅名を変更した。

金沢八景から分岐する逗子線新逗子駅は逗子・葉山駅になった。新逗子になる前の逗子海岸駅に名前を戻すには海岸が遠いし、逗子市役所には近いので確かに逗子を名乗るにはJRよりも適していると思うのだが、実際のところ交通の中心地はJR逗子駅であり、バス停はJR逗子駅に機能集中している。その点で新逗子駅は鉄道が通っていなくて影が薄い葉山町の入り口としては距離的に近い駅であるし、駅前のバス停から葉山方面のバスが出ている。葉山町と手を組んで地味な駅の地位を上げるのは適切な生存戦略と言える。

ただ、駅名変更を超える大きな変革をしてほしかったと思う。京浜急行逗子線金沢八景にある鉄道車両の工場から車体を運送するために幅の違う線路に対応した特殊な造りになっている。新幹線と同じ線路幅の京浜急行の路線を通じて線路幅の狭いJR在来線の車両を線路上で輸送できるようになっている。ちょうど、昔の箱根登山鉄道の小田原と箱根湯本の間のような状態になっている。いっそのこと、三線軌条を活用して京浜急行がJR逗子駅に駅の機能を統合したり、両者が車両を相互乗り入れさせれば鎌倉方面への鉄道アクセスが横須賀線のみで、狭い鎌倉駅が常時混雑している異常な状況が解消するのではないかと思う。

一方で、昭和40年代に開業した西日暮里駅に次ぐ山手線の新駅開業で注目の高輪ゲートウェイ駅は何をしても叩かれている。近隣の駅と微妙に近いのだがそこそこ距離のあるところ、しかも需要がそれなりに見込めるような場所であり、微妙な距離を広い品川駅構内を歩いてから外の道にやっと出て、そこからとぼとぼと目的地に歩くという行程を踏まなくてよいのだから、やっと駅ができてくれた感があるのだが、駅名の段階から叩かれていた。

駅名がおかしいと言い出したらきりがない。日暮里駅より北にあるのに西日暮里という駅名だって批判すべきだろう。日暮里の西にあるのは千代田線の千駄木駅である。横浜市でほぼ真東にあるのに西区とか、渋谷区にあるのに目黒駅とか、ネーミングのおかしい地名とか駅名はざらにある。駅名標のフォントだって正直どうでもよい。フォントが見えにくくてそこが何駅か分からないことが何か支障になるのだろうか。その場所には高輪ゲートウェイ駅しか駅はないし、案内放送を聞いたり点字で情報を拾えばよい。そもそも、乗車時も下車時もいまどきSuicaPASMOで改札にタッチすれば何駅だろうが電車に乗り降りできる。目的地の駅が分かればそれでよい。

開業前の高輪ゲートウェイ駅の横を電車で通過したとき、昨年はまだ鉄骨を組んだだけだった駅舎がすっかり形になっていて、無人だが明かりが灯っていた。まだ用途が決まっていない周囲の真っ暗な空き地の中に光の島が浮いているような幻想的光景だった。西日暮里駅が地上の山手線から地下の千代田線に至るまで数を捌くことを重視した粗末な作りでバリアフリーも不十分なうえに、乗り換え口にいまだに有人の計算窓口があったりして昭和40年代を引きずっているのに比べれば、通勤電車の停車駅なのに存分な設備投資をしていることだけでも大したことだろう。