夜の闇に紛れるように、画板のような板を持って道行く人達にしつこくつきまとうマンションのキャッチセールス。
キャッチセールスをすると丁度マンションを買いたいと思っていたという顧客がつかまって、成約までこぎつけるのだろうか。到底、そのような展開は予想できず、効率悪い売り方である。その売り方にかかる費用がマンションの価格にそのまま含まれているわけで、不快な思いをするキャッチセールスを養うためにマンション購入するのはどんな気分なんだろうと思う。
また、地元で昔から事業を展開している不動産会社からすれば、販売後は街からいなくなる連中が好き勝手して地域の雰囲気を悪くしている上に、不動産業や地域自体のイメージを落としている事に不快感を抱いている所もある。
キャッチセールスも巧妙化していて、正体がつかみにくい暗い時間帯に活動したり、相手も断りにくそうな弱そうな者にしつこくつきまとい、筆者のようなパンチパーマにセカンドバッグで金のロレックスで日焼けして口ひげに紫の目が透けて見える色眼鏡という格好の者には決して絡もうとしない。
また、実態が知れ渡って一頃ほどではないが、やりがい搾取ビジネスの果物や菓子の路上販売もまだいる。夜中のありえない時間に戸別訪問して、しつこく居座るので、筆者のような若くか弱い独身女性には深夜のドアベル音は恐怖である。
鬱陶しいので居留守を使っていると、ワラワラと仲間が集まってきて他人の家の玄関先で一日の売上だのを披露しあうミーティングもどきを始めるのだから始末が悪い。しかも、風呂なしトイレ共同物件だとトイレも銭湯も行けないので困ったものである。
人を不快にしながら騙して金をまきあげる職業は楽しいのだろうか。
