めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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浜頓別の漂流家族2018

2009年ごろのテレビドキュメンタリー「漂流家族」を視て思ったことを書いた数年前のエントリで、多くのアクセスが当ブログにいまだにある。あの無責任で他人の善意を当てにして使い捨てにするようにあちこち渡り歩く一家のその後については、名前を検索すればFacebookも出てくるし、某大手掲示板ではブログなども晒されていたので、ある程度その後のことは知っている。孫が生まれたり、娘の一人が骨腫瘍で片足の切断術を受けたことなどはウォッチャーなら知っているだろう。放送当時は子供たちを憐れむ声があったが、あの父親と孫が一緒に寝ている写真を見ていると、子供たちが父親を嫌っている風ではなく、むしろ同類に成長しつつあるようにしか見えない。

もう一つは北海道で善意の地域住民から保証金を借りて建てた家の行方である。実は、2018年9月時点でも約1800万円で売りに出たままで、買い手がついていない。そこで、賃貸に出すという二方面作戦のようで、6.8万という場所としては微妙な賃料で不動産サイトに掲載されている。ちなみにこの物件と道を挟んだところに件の保証人の牧場主の家があり、全国的に善人としてすっかり有名になってしまったこの牧場主との近所づきあいが嫌でも待っている。

正直なところ、今後もまともな借り手はつかないのではないかと思われる。いくら地方が車社会だからといって、土地が安くて広いからといって、やはり多くの地域住民は一部の区域に集まって暮らすものだ。どんな地方に行っても中心部と言えるような場所があって、大体その周辺に商店や役場や郵便局や学校などが集まっている。電気や水道などのインフラも、郵便や新聞の配達も、ライフライン施設を無限に敷設するには維持管理の限界があるので、集まって暮らしたほうが合理的なのである。

そんな中で交通機関へのアクセスがなく、かといって地域内でのアクセスも悪い場所に位置している中途半端に購入価格や賃料の高い家が売れるわけがない。同じ浜頓別町の物件を検索すると、もっと利便性の良い場所に浅い築年でもっと安い家がいくらでも出てくる。あの大家族以外にも移住に見切りをつけて土地を去った者がいるのだろう。

今後もまともな買い手はつかないであろうあの家であるが、以前ブログではシェアハウスにでもしたらなどと書いた。今もその考えは変わらない。まともな雇用が少ない土地に移住するのは何の考えもない者か、仕事を持ち込める者だけである。あるいは、食事や掃除などの賄いつきで部屋を貸すという、不審者が出入りするイメージのシェアハウスよりは若干まともな方策もあるだろう。昔は地方に教師などのが単身赴任するときには単身者向けの賃貸物件など地方にはないために旅館が賄いつきアパートのような役割で長期滞在を受け入れていた。そのポジションで単身者に部屋を貸すとか、民泊制度を利用してツーリング客などに部屋貸しする方法もある。家の前の駐車場スペースを車中泊者に貸し、リビングを開放するという利用法もある。

もっとも、活用が進まないのは活用したくないからかもしれない。外部から余所者が流入することをよく思わない地域住民に配慮して、表向きは需要の無い売家・借家という形をとりつつ、買いにくい・借りにくいようにして実際は必要な者に届かないようにして空き家のままでキープする戦略なのかもしれない。