めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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横須賀の衰退を食い止めよ

現在、家を建てる時は公道に敷地が接している必要がある。それが法的に決められる前の土地にも住宅が建っていることがあるが、再建築不可となっている。この公道には通常の道路の他に階段も含まれる。

横須賀の階段しか公道がない地区は過疎化が進行しているという。船が入るのに適した水深のある地形で、よって陸地は海に向かって急な斜面になったような場所であり、古くからの住宅地はその斜面の谷の部分に沿うように発達した道から葉脈のように分かれて広がっている。今ほどに自動車の普及していなかった時代ゆえに、道は階段であるし、歩いて超えればよいので急に曲がったり急峻な段になっているところもある。だから、階段を潰してそのまま平たんな道に改装するわけにもいかない。

そうすると、住人が高齢化してくると外出や買い物のたびに下と行き来するのは大変になってくる。階段なのでタクシーで玄関まで乗り付けることが出来ない。また、足の骨格系の病気でもすると帰宅が困難になるばかりか、古い家なので和式トイレだったり生活自体も難しくなる。こうして住民が不在になった高台の家が買い手もつかないままで放置状態になって問題化しているのだった。不動産サイトを見ると、横須賀市でかなり低廉な物件が散見される。詳細を見てみると、とんでもない斜面の上にあったり、公道が全体あるいは部分的に階段になっていて、物件まで自動車で到達できないようなところが廉価で売り出されている。

住民が若い頃は歩けばよかったし、物を持って上がっても苦にならなかったのだろう。だが、住民だけでは手に負えないような大きなものも運ぶ必要があった。住宅建築の建材などは人の手だけでは運べなかっただろう。

今は引っ越しをするにも運ぶことがネックになっているというのに、大きなものを昔はどう運んでいたのかと言えば、当時はあまり問題にならなかったのだろう。人件費がそれほどでなかった時代には運ぶこと専門の単純労働が成立していただろうし、馬に載せて運ぶという手段が選択できたからだ。馬は人よりは力があるし、多少の段差は足で克服できる。

10年ほど前までは横須賀同様に階段の公道の多かった長崎市には馬運を行う事業者がいた。今は業者が高齢化で引退してしまった。

現在、階段部分にはリフトが建設されている。住民だけが専用のカギを使って操作できるようになっている。これでは一回につきリフトに乗れる数名しか運べないし、速度も遅いので多数の住民の行き来には適さない。もちろん、来客や配送で外部から来る者も使用できない。たとえ来客が高齢者でも、足に障害があってもである。長崎市も今後は横須賀市のような斜面地の空き家対策に追われることになるだろう。

自動車でアプローチできない斜面地は居住や行政サービスを放棄して自然に還るに任せるというのは一つの選択肢である。そうではなくて、移住を促進して維持しようという動きをしている若者グループもあるようだが、彼らも不便性に行き詰ったり高齢化したときにそこを去るだろう。

今こそ馬による運搬を見直す時期だ。

馬による運搬を復活させると、自動車の通行の邪魔になったり落馬や暴走などの事故が生じうる。動物愛護のやかましい連中が使役を虐待だと主張する他に、においや馬糞に文句を言う住民が出てくるかもしれない。だが、自動車は通行規制してでも馬優先にすればよいし、事故は全体の中の微々たる誤差として受容すればよいし、文句を言うものは馬に蹴飛ばさせればよい。

全ては地域を衰退から守るためだ。それを避けるなら、需要も予算も無いのに立ち退きさせて道路建設するか、衰退に任せるしかない。