めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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鹿児島県知事の失言にみる地方衰退の原因

鹿児島県知事が女性に三角関数の教育は不要であるという発言をしたことが報道され、批判が相次いだために撤回した。そして、発言を撤回したのだけれども、つい言ってしまったという釈明をしたため、結局本心としては発言した通りのことを考えているし悪いとも思っていないということも露呈するかたちとなった。

女性に対して高等教育が不要、したがって、教育によって知恵をつけて自分の考えでものを言うようになったり、社会進出して社会的に上位のクラスタに属することも不要。そんなことをするのは「いらんこと」で、余計な真似はしてはいけない。こんな発言をすると鹿児島県の地域住民は我が意を得たりと歓喜して、選挙でも勝てるのだろう。そして、一層勢いづいて女性差別と収奪が進行するのである。

ところで、この女性を格下視する姿勢は、地方だと他の土地からやってきたいわゆる「よそ者」や社会的弱者に対しても、同じように向けられるのではないか。

自分たちと同じような優位な立場に彼らがつくことは許されない、権利を有したり、自分たちよりも社会進出して世間からプラスの評価を得ることが許せない、そう考えるようになったら、苛烈な抑圧を始めるのは時間を要さない。そして、鹿児島県知事の件の発言のように足を引っ張って相手の立場を奪い、自分より格下に置くことで安っぽい優越感を満たして終わる。もちろん、その陰には弱者の犠牲が多数生じる。

鹿児島県知事の今回の失言で、鹿児島県という土地は仕事で家族を連れて転勤をしたり、田舎暮らしのために移住をしたりすると、地域住民の憎悪のはけ口にされて攻撃のターゲットとなり、その累が子孫にまで及ぶ最悪の結果になりうることが判明した。

鹿児島県知事の失言が報じられて批判が相次いでいる中で、東京の国会では女性の活躍推進法がひっそりと成立した。

現在の政権は安倍晋三を中心としている。安倍晋三の地元は山口県であり、選挙の結果が山梨と並んで毎回いち早く確定するほど自民党優位の保守的な土地だ。山口県全般で言えることだが、明治維新をやり遂げたのは自分たち山口県民であるという自信を持っており、その思想が国造りの保守思想や靖国神社に対する思い入れに反映している。

そんな薩長で成し遂げた明治維新だったはずなのに、いつの間にか長州ばかりの近代史になってしまった理由が何となくわかる。鹿児島県民には自分が得することだけを追求して弱者を平気で犠牲にできる一方で、他者の立場を尊重することが根本的にできないのだろう。よって、他者はそのまま味方せず敵になった。

地方の衰退が度々問題として提起される。そのたびに地域住民は政治がなんとかしろと中央の方をチラチラ様子見しながら不満をもらす。だが、最大の原因は地域住民の体質そのものにあり、彼らが優位性を保とうとくだらない真似をする一方で、地域社会に対して負うべき責任を果たさなかったことに問題がある。