めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

ADs

ガラケーが無くなると困る!

ガラケー」こと従来型携帯電話の国内生産が終了するという報道があった。そのあとでメーカーが報道を否定して、今後も従来型携帯電話を製造すると宣言した。

実は、スマートフォンばかりになると困る人たちというのが社会に一定数いる。一番思いつく例は視覚障害者だ。タッチパネルだとどれを押したらよいのかわからない。さまざまなアプリがインストールされていようと、全て同一の平面で区別がつかない。基本的な音声通話ですらもダイヤリングできない。

そして、そのような特殊な事情が無い場合でも困る場合がある。それが、カメラの持ち込みが禁止されている場所で働く人たちだ。情報漏洩対策としてカメラ持ち込み禁止という部署は普通にあちこちに存在している。そのような職域でも社員間の連絡手段が必要だ。至近距離や、有線電話が簡単に敷設できる場所ならばともかく、広い敷地内で作業するとか、あちこち動き回るとか、有線電話では相手を捕まえられない場所は意外に多い。

今、カメラ持ち込み禁止の場所で働く人たちが、代替機種が無くて困っているらしい。大企業だと対策方法があるのかもしれないが、その種の場所に出入りする下請け業者が自前でカメラなしの携帯を用意しなければならず、選択肢が年々減っているし、かといって携帯を持ち込まないと作業時の無線連絡がわりに使用していたりして、安全確保が出来なくなるなど仕事が出来なくなるという。

スマートフォンはカメラがほぼ標準装備なので持ち込めない。従来型の携帯電話でも、ごく一部の機種しかカメラなしモデルは無い。その製造会社が今後もカメラなしモデルを生産し続けるか不明。さらに、スマートフォンは防水性や防塵性がいまひとつなので、どっちみち現場作業には向かないのではないだろうか。

カメラのない携帯電話を求める人たちは今後どうしていくのだろう。PHSを使っていくのか。既存品のデッドストックの争奪戦が始まるのか。あるいはトランシーバーに回帰するのか。メーカーはまだ生産すると言っているが、いつまで続くかははっきりしない。あのNECのPC98だって、工作機械や障害者支援の機材を稼働させるために小規模生産を続けると言っていたが、結局数年で生産をやめてしまった。

携帯電話が重要なライフラインの一部になっている以上、この種の決定は通信事業者の裁量に任せないで、事業者に最低でも一機種は押しボタン式の端末の製造を義務付けるとか、インフラ企業なのにトレンドに合わせたいという都合で勝手にラインナップを無くされないような対策が必要だろう。