めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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薄っぺらな親友

どうも、チンピラの友情というものはかなり薄っぺらなものらしい。
普段は群れになって、友情を重視しているだのと強調しているが、いざというときになると無責任になって逃亡する。警察に密着取材したテレビ番組では、暴走族の集団に警察が駆けつけると蜘蛛の子を散らしたように仲間を見捨てて逃走するだろう。
最近起こった二つの事件で、そういったチンピラの薄っぺらな親友という言葉の意味を考えざるを得なかった。
三鷹市で元・交際相手の高校生を殺害した京都のフィリピン系の男。被害者の女性の性的な写真についても流出して一部の批判にさらされたが、犯人の男の生い立ちが次々とマスコミにさらされる過程も興味本位の範疇を超えたものだった。
まず、アルバイト先に提出した履歴書がなぜかマスコミに流出した。就職活動ですら破棄したり、個人情報ということで取り扱いに慎重になる書類が、なぜかテレビカメラを通じて全国に放映された。下手すれば人権侵害であるし、それ以前に個人情報の不適切な取り扱いをした事業者は、求職者の信用を裏切ったともいえる。
さらに、加害者の男の家庭環境などの情報をマスコミに次々リークしていたのは、事件直前まで加害者の男から相談を受けていた「親友」だった。親友と称して相手を気遣うふりをして、内心は嘲笑って、平気で他人に身柄を売りとばすような親友。親友の存在はどこからマスコミが知ったのかはわからない。しかし、自分からマスコミに売り込んでヒーロー気取りになっていたとしたら最悪である。大事な友人の相談事は警察の事情聴取でだけ話せばよいのに。
それから、川崎市で強姦で逮捕された男が移動途中に逃亡した事件では、「親友」がとんでもない友情を発揮した。

なんと逃亡犯の友人が男の逃亡と同時に逃走車両や携帯電話を用意し、その車両で男は川崎から横須賀、逮捕された新横浜付近、と広範囲で移動してなにかをして回ったり、手にした携帯電話で自由に通話していたというから驚きである。携帯電話では位置情報が掴めるから、もしかしたら友人たちは捜査関係者の回し者なのかもしれないが、単に位置が把握されることを知らないで提供していたとすれば悪質である。
こんなのも、当初はノリ感覚で加勢して友人を助けたとか友情は強いとか粋がっていたのだろう。そうすれば、自分たちが嫌いな警察や社会と戦った気分になれるからだ。ところが社会的な反発が大きくなって、事の重大さに気づくと「自分たちは何も知らなかった」とか、「関係ない」とか言って、親友だったはずがなぜか無関係ということになってしまい、彼らは責任の擦り付け合いを始めるのである。
ある年代から、身の回りには打算的に得をしようという目的で近寄ってくる連中が増えてくる。そして彼らは、得をしないとわかったり、責任を負わずに利益が得られないと分かると逃げ出す。親友だか友情だかわからないが、ちょっとした薄っぺらな打算で付き合いが大きく変わるのであれば、そこに親しさも情も無いだろう。チンピラの薄っぺらで脆い友情は、彼らが親しいのでもなんでもなくて、群がる以外のスキルが低くて、それ以外のものを相手に求めて代用しようという打算で成り立っているのかもしれない。