めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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何でもユダヤの陰謀 2

以前我がホムペに何でもユダヤの陰謀に関連付ける人がいるということを書いた。サーチしてみたら、陰謀論では相当有名な人らしい。名前は書かないが、人物と主張の骨子を挙げてみよう。

大正時代に朝鮮総督府の官吏の家庭に生まれ、工学博士で元・米国大学教授。やたら他国を批判しているが、この経歴が主張に箔と権威をつけている。そして現在は、歴史を科学者の視点で見る「歴史工学」なるものを編み出し、独自の視点で歴史の深層を探っているという。
その独自の視点とか歴史の深層というものは、歴史の出来事は全部ユダヤの陰謀によって動いている、という単純明快な結論が全てに先立ち、その結論ありきで論が展開し、こじつけるための材料が列挙されるというもの。もっとも、その材料は根拠としては疑わしいものが多い。歴史的に明らかな事実誤認の他、根拠として挙げるものが「占い」の結果だったり、外国を悪とする根拠が、日本は清浄で外国は穢れているという一点張りの主張だったりするのだ。さらには、陰謀を仕掛ける理由が「人類に苦痛を与えることで得られる悪魔の喜びのエネルギー」のためだと無理矢理結論付けているのである。
また、この人物は気に入らない人間は全てユダヤの手先と決め付ける。日本の要人に接触する外国人は根拠が無くてもユダヤ人で陰謀を吹き込んでくる、と。また、一見外国と不透明な接点の無い日本人であっても、日本人には生粋の日本人と渡来系の日本人がいて、渡来系はユダヤとつながった「穢れ」の系譜なのだそうだ。そのうえで、日本にユダヤが浸透を図れない理由は日本が優れているからであり、ユダヤの思考方法を学問を通じて研究した結果、逆に西洋近代の学問的考察によって彼らの陰謀の馬脚が現れたのだそうだ。
おいおい、これのどこが「工学」なのだ。体系付けられた確たる知識に基づくことなく、ただ目の前の事柄に恣意的にレッテルを貼って得意がっているだけではないか。それとも、この「工学」とは何でもユダヤのせいにして歴史を作り直していく造作それ自体を指しているのだろうか。
そもそも、ユダヤ人は本当に陰謀を仕掛けるのだろうか。

まず、ユダヤ人など海外と国交を開いた国なら大抵何処にでもいるのではないだろうか。移民の国であるアメリカの人口の3%ほどがユダヤ人だというから、もともとの居住地であるヨーロッパにはそれと同様の規模か、或いはそれ以上の割合でユダヤ人、あるいはその血を引く者が居住していると考えられる。ユダヤ人は決して珍しい存在ではない。
また、ユダヤ人は金融を支配しているという。しかし、これは金融業が少ない自己資本で起業がしやすいためではないだろうか。たとえば、工場や農場を経営するには、土地建物、機材、人材を確保するのに多額の金がかかる。ゼロからはじめることは無理に等しい。金融業なら、証券の取引などはトレーダーの権利と事務所を得る金があれば、能力次第で自分ひとりの会社でも成功できる。証券を取引する資金は他人から委託されるので、それを運用するアタマがあればよい。結果的には、アタマの良い人達はユダヤ人に限らず世界の経済を左右する勢力に属することになるわけである。

実際のところ、世界的な銀行や証券会社のほとんどはユダヤ資本だが、これは宗教的な理由で金融知識に触れる事を長い間避けてきた人が多かったこと、これに加えて、封建時代には、農村でそれぞれの仕事の役割が代々決まってきた人々、そこから税を取る支配者の関係が長く続き、それに属していれば生活に困る事は無いので抜け出すことを考えなかった人が多かったために、土着民として地域社会に容易に参入できなかったユダヤ人や移民の選ぶ余地のあった産業ということも考えられる。
また、利益を得るためにはどの企業も同じ時期に同じような動向を示すものだ。しかし、このことは熾烈な競争の結果であって、寡頭勢力の謀議の結果によるものではない。

第一、金融業が育つことと、国内に経済活動をするに値する産業が育つことは一体の関係である。あの北朝鮮は全国的な銀行のネットワークが無く、日本時代、中国、ソビエトの真似をした非効率な工場設備を使い続けて新たな産業が興らず、賄賂と搾取を重ねた結果、国中が荒廃している。金融を嫌い、ただ感覚的に自国の優位を説くだけでは、日本も北朝鮮と同じ道を辿っていた筈である。日本がこれだけの国力を持っているのは、昔から為政者の苦心によって産業と金融が健全に育ったからであり、そのような成熟状態にある経済は自然とユダヤ金融資本の感覚に似た面を有してくるに違いない。だからといって、ユダヤが日本に浸透したと喧伝するのは考え物である。
そもそも、「人類に苦痛を与えることで得られる悪魔の喜びのエネルギー」を得る事は陰謀の理由になるのだろうか。経済は社会科学の中でもとりわけ合理性を追求する分野である。合理性を追求する金融のプロがそのような報いのありそうにも無い、無駄な事のために世界中で力を合わせるだろうか。世界の人口を戦争や疫病をもたらして1/4にまで減らす計画なるものにしても、そこまで陰謀を張り巡らす力があるなら、始めの段階で根を絶ってしまえばよいことである。
現在、ユダヤの魔の手は日本に刻一刻と迫っているという。その根拠は日銀紙幣のデザインであり、ユダヤ勢力の手先としてデマゴーグの喧伝に努めた新渡戸稲造の五千円紙幣にそのメッセージが込められているという。しかし、まだ完全に権力を掌握していないので、そのメッセージは半端な状態にあるという。これにしても、それだけの遠まわしな細工をする力があるなら、とっとと権力を奪取してしまえよ、とツッコミを入れたくなる。ウソでもいいから権力を掌握した旨メッセージを入れてしまえばいいのに。
・・・以上のような事から、以前にも述べたが、この種の「陰謀」を喧伝する事自体が何かの陰謀なのではないかという疑念を抱いてしまうのである。では、誰が何の陰謀のためにそのようなことをするのだろうか。一つは、ユダヤ人が沢山のウソのなかに真実を紛れ込ませて、それもウソと思い込ませることによって実際の陰謀を遂行するということが考えられる。その場合、「ユダヤ陰謀論者」はユダヤの手合いということになる。もう一つは、ナチスのように「ユダヤが悪い」と思わせて、民衆の怒りの方向をそらすことで他の勢力をかばうという陰謀である。
私は、前者よりもこちらの可能性を疑ってしまう。この場合、少し前に朝鮮総連が世論操作のためにチマ切り事件を自作自演したり、マスコミに工作した例がとっさに思い浮かぶ。また、最近では政権与党に入り込んだ宗教団体が起こしてきた犯罪や反社会的行為も頭をよぎるのである。
先日、ホリエ偽メール騒動が起こり、民主党は空中分解寸前の状態にまで行きかけた。

その後伝わってくる情報を書き出して見ると、当時の民主党党首・M原の妻、情報提供者のゴロツキ記者・N澤に担当していた弁護士の出身大学に、政権与党の支持母体の宗教の影がちらついていることが2chなどで明らかになっている。また、情報提供者を党から費用を出して生活を保護するなどという話を進めつつ、N田議員やらM原党首やらがマスコミに対応していた頃、楽屋裏である党の上層部では、「ホリエに金を出している会社の経営はユダヤ人、そのユダヤ人を含む国際金融勢力がモンゴルで会合を開く、それが一連のメールの背後に潜む陰謀」などという情報でパニックしていたということなどが明らかになっている。この怪情報の主張は冒頭の人物の主張の骨子そのものである。
そもそも、偽メールで名指しされた自民党国会議員とその息子は、偽情報で名誉が傷つけられた、謝罪しろといったことをマスコミでしきりに主張し、実際その方向に事態は進んだわけだが、それだけの騒動の被害に遭いながら、なんら告訴に踏み切る動きはなかったし、じっさい告訴しなかった。息子は事業に経済的打撃を受けたと主張していたのだが、損害賠償請求をしなかった。また、騒動に至った経緯についての調査を求める声を被害者のはずの自民党がねじ伏せ、調査は現在に至るまで行われていない。
この辺りに、何かしら仕組まれた台本が存在するのではないかという疑念を私は感じるのである。

一連の株取得騒動、そしてそれによる売名で一気に有名になり自社の企業価値を高めたホリエ。その後、選挙に出馬していることからして、取り巻きとして早い時期から利益にあづかるために集まってきた団体があった筈である。それには政治家も一枚かんでいたに違いない。その関係が、ホリエが検察の癪に障ったことから一気に暗転した。このまま捜査が進むと、自分たちにも追求が及んでくる。そこで、使い捨てしてもいいフリーライターにネタをつかませて、このような騒動を起こして、今後同じ問題を追及すると、民主党の様に痛い目に遭うぞ、という既成事実を作ることによって、ホリエが訴追内容と同時並行して行っていた別系統の何かしらの犯罪を隠蔽したのではないかということである。

自民党、宗教、陰謀論者が底で繋がっているという感がするのは私だけだろうか。
そして、何度も言いますが私はユダヤ人ではありませんので念のため。このページにユダヤの暗号はありません。私はモンゴルの会合に出席したことはありませんし、三百人委員会のメンバーでもありません。この陰謀論者に取り付かれている國民新聞が哀れだ。この人のHPには国民新聞のHPからリンクが張られています。共倒れしないことを祈るのみです。(C)2006