ある生活情報番組で、SIMカードロックについて紹介したところ、それを実行した視聴者がロックを解除できなくなって多数の苦情になったのだという。
こういったニュースを見ていると、視聴者のリテラシーの無さは思っていたよりも深刻であるように思える。そもそも、テレビの生活情報番組は情報提供は目的ではない。テレビが社会の中で果たすべき役割を放棄して余計なことをしたから、こんな混乱に至ったのである。
テレビは真実は流さない。中立でもない。物を買わせるための情報を流して購買させ消費を促すことが第一の役割である。CMを流しているスポンサーに関係した不祥事はたとえ報道番組でも流そうとはしない。最近ではNHKでも現地取材の名目でCMまがいの内容を放送したり、SNSやYoutubeなどはもろにサイト名やロゴをだして番組のネタとして使用している。
第二の役割として愚民統制がある。社会の支配者にとって都合がよいように、愚民が現在の社会の枠組みを是認して疑問を抱かないようにして、彼ら支配層に都合の良いように手なずける役割を帯びている。勉強は悪で不良はいい奴、女の子はかわいくして男にお嫁さんに貰ってもらえるよう媚を売っていればいい、そういった情報をドラマやアイドルで流して、支配層はきっちりしかるべき教育や素養を身に着けて既得権益を維持していく。
マスコミは大体そうだが、テレビ局も番組制作者は皆一流大学卒だ。日本の有名企業は経営者は大抵世襲制で、新興企業はほとんどない。医師、弁護士、政治家、実業家などは祖先をさかのぼっても、現代でも社会の支配層の家系が多い。リベラルだって、無知で貧困な支持層に無くなられると困るのが本音だ。
ネットで自分の好みの情報をいくらでも取捨選択できる時代にテレビにかじりついてその情報を鵜呑みにしている層は、かなり愚かなのである。そういった層が自分の置かれている現状に何かしらの不満があるのならば、まずはテレビを消して勉強すべきなのである。
