横浜の桜木町とみなとみらい地区を結ぶロープウェイを作る構想があるらしい。
みなとみらい地区は1989年の横浜博覧会の会場となった場であり、公共交通はみなとみらい線の新高島駅とみなとみらい駅か根岸線の桜木町駅だが、どこも微妙に海側が遠いという特徴がある。企業のビルや会議場などがあって施設の収容人数が多い割に、会場まで歩く距離が長い。
これでは確かに大量輸送機関があったほうが助かる訳だが、元々この土地に何も無い訳ではなかった。1989年の横浜博覧会では横浜駅東口の横浜そごうからみなとみらい地区までロープウェイが通っていた。現在のバスターミナルの駐車場の上に仮設駅を作っていた。
また、あの辺りの埋立地は横浜税関の保税地だった歴史があり、貨物線があった。山下公園も大通り沿いに鉄道のガードがあった。横浜博覧会の期間中はディーゼルカーが会場まで客を輸送していた。
それらの交通手段は今は無くなったが、博覧会のように客足が見込める場では大量輸送機関が用意されてきたのである。博覧会後は一旦寂しい埋立地に戻ったが、その後に企業の本社や大規模マンションなどでみなとみらい地区の地位が上がって人が増えてくるとバスや徒歩では対応しきれなくなったのである。
ロープウェイは突飛だが、強風や腐食対策が大変だろうしバリアフリーも弱い。そもそもロープウェイは初期投資が大きいが、駅からの距離を考えると運賃は歩くよりは少し高い程度でないと歩いて行かれてしまう。横浜博覧会のときのように汽車道を蓄電池車でも走らせて鉄路として復活させたり、連節バスが現実的対応だろう。