めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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ノマドワーカー今いずこ

数年前に一世を風靡した「ノマドワーカー」。オフィスを持たない、組織に所属しない新しい働き方なのだそうだ。ちなみにオフィスは無いが住居はある模様。

その後、この画期的(笑)な働き方はめっきり聞かなくなった。ひとつはノマドワーカーブームの牽引者が次々と組織に属するようになって全然遊牧民でなくなったし、もう一つは胡散臭いイメージが定着したからだろう。

今も普通にネットで検索すると色々ヒットするが、twitterinstagramはもっとひどい。PCだけで世界中を旅しながらお金儲けとか、一日数分スマートフォンを操作するだけで収入とか、あり得ない文句が満載である。そして、日焼けしてツーブロックの男とかキラキラ女子みたいな、あまり関わりたくない感じの連中が海外の別荘のようなところで遊興に興じる写真をサイトやfacebookに連投している。

今の日本の平均収入は年間400万ほどらしいが、様々な経験やスキルがあってもその程度なのである。だから、さしたるスキルも無いその辺の若者は、年収400万に届かない額で劣悪な条件のブラック企業や非正規雇用に甘んじる他ない。勿論、そういった業種にはIT産業も含まれる訳で、スキルも無いのにPC一つで大儲けという話はあり得ないと分かるだろう。

この種のネット詐欺的なノマドワーカーでなくても、ノマドワーカーがあたかも新しい働き方であるかのような触れ込みで、いかにもノマドワーカーになると既存の枠にとらわれない働き方ができるかの様な見方も怪しい。

そもそも、ノマドワーカーの多くは仕事や雇用を創出する胴元の側にはいない。たいていは既存の働き方の構造の下部に位置している、単なる下請けがほとんどだ。クライアントという名の既存の働き方をしている者から仕事を貰い、クライアントの守秘義務に触れない程度の重要性の低い仕事を人前でPCを広げて処理している。

誰かから仕事を貰うという構造の中にいる限り、その仕事が安定的に供給されることを望む限り、既存の働き方無しには成立しないのがノマドワーカーである。その現実を直視できないとノマドワーカー詐欺に騙される。