めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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詐欺被害回復はあきらめないで!

高収益をうたい不特定多数から出資を募った末に経営破綻して、出資者が詐欺被害だと大騒ぎする事案が後をたたない。

しかし、個々の事案を見ていると本当に被害と言ってよいのか、突っ込みたくなる事案ばかりである。

例えば、健康器具をレンタルして高収益という事案では、その辺で数千円で売ってそうな器具を高収益を生むほどのレンタル料金で借りる消費者がいるのか、皮膚に接して汗まみれの器具を使い回すレンタルサービスに普通抵抗を感じないのか。そもそも器具をレンタルする窓口はどこなのか、一般の消費者にどの程度知名度があって、それをレンタルしたいと思うだけの需要が本当にあるのか。高収益のアテが外れた出資者は、これらの質問にどれだけ明確に答えるのだろうか。

あるいは干し柿の販売で高収益という事案もしかりである。その辺で売っている干し柿の単価はいくらなのか、利益はいくら生じるのか。この段階で単価のたかが知れている食品であるから、高収益には程遠い事が予想される。そして、出資するまでにその企業を知っていたか。その企業の干し柿を売っているのを見たことがあるか。価格を見て買いたいと思うか。知らない企業で、干し柿の販路も不明なのに、次々売れるというのは流石に都合が良すぎるし、幻想を通り越して妄想だろう。

しかも、低金利政策で低利融資のハードルは下がっていて、収益が確実とうたえるだけの経営状態なのに、それよりも高率の配当を出資者に分配してまで金融機関以外から出資を募る理由が見当たらない。むしろ、それだけの利益が産めるのであれば、それは元々の株主への配当や雇用創出の形で社会に還元すべきだろう。

要するに、この種の企業は破綻するべくして破綻したのであるし、うたい文句のサービスや商品は出資集めのための口実に過ぎない。だから、出資を募る窓口はやたらと充実しているのに、肝心のサービスを利用する窓口や商材は杜撰なところが多い。儲け話で頭がいっぱいになる前に、冷静に考えればおかしいと思う点がいくつもあるのだ。

また、出資をする際におかしいと思って止める者が周囲にいたはずなのだ。家族や周囲の友人がこれらの企業のスキームを聞いたらおかしいと言うはずだ。それを押し切って出資してしまった。

少し考えればおかしい点ばかりで、収益モデルの脆弱さばかり見えてくる企業。それを考えることを放棄して、儲け話で頭がいっぱいになる。自分だけ儲けたいという欲に囚われて、周囲の制止を振り切って出資。身近な親切な人達を裏切ってまで見ず知らずの企業の言い分には従った。投資なのだから損失は覚悟で出す資金。それなのに、企業が破綻してから被害者ヅラするのは都合が良すぎる。

今も無数の怪しい投資話が破綻して、自称被害者が大騒ぎしている。彼らは詐欺の2次被害に遭いやすい。一つは個人情報の流出で他の企業が勧誘をかけてくる。また、出資した時のように訳もわかっていないくせに手っ取り早く成果を得たいという浅い考えを捨てられないと、被害を取り戻すと称する詐欺にすぐ飛びついてしまう。

実は正式な資格保有者による被害対策弁護団のような集団訴訟も胡散臭い。どれほど有能に立ち回っても回収額が少なく、一人あたりの返還額が少なくなる一方で、集団訴訟の参加費用はきっちり徴収されるので、会を結成した弁護士達が有名事例で人助けした実績のほかに手堅く収益を得るという構図になっている。

集団訴訟のまずさは他にもある。詐欺被害回復は債権回収と同じことなのだから、本来は他の被害者は競合する債権者同士になり、他を出し抜かなければ債権回収できないのに、出資額も蛸配当を受け取っていた期間や額もまちまちの他の被害者と歩調を合わさせられるのは不公平になる被害者がどうしても出てくる。

被害者と呼んでいいのか躊躇するような人間性の出資者達に、彼らの欲望の隙に付け込む悪徳業者と弁護団。全方位から搾り取れるだけ搾り取る構図がある。