めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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「ネットで真実」の胡散臭さ

ネットで真実を求める、という変わった人たちがいる。要するに新種の陰謀論者である。2011年あたりから一気に増えた。

国やマスコミは真実を隠ぺいしている。そして、真実はネットに出てくるのだという。その真実をネットに書いているのは、どこをどうすると権力の中枢に潜り込んで隠ぺいされた真実にアクセスできるのかわからない、胡散臭い左翼がかったライターなのだから、何とも頼りない話である。

この種の「ネットで真実」系の人たちの行動を見ていると、何とも疑問に思う点が多々ある。

一つは、情報の探索範囲が偏っていること。まさか、Twitter2chや阿修羅といった書き込み系のサイトだけ探索して社会を網羅するだけの情報は出てこないと思うし、左翼系のライターのブログやメールマガジンだけでも同じことが言えるだろう。もう一つは、情報を無批判に鵜呑みにしていて、吟味していない。その情報が、まさしく「真実を隠ぺいするための」嘘かもしれないのに。

そして、決定的にいけないと思うのは、情報の受容が恣意的である。情報を収集していると、自分が考えている内容に都合の良い内容と、それに否定的な内容とが出てくる。そうすると、自分に都合の悪い話は耳をふさいで見なかったことにする。そして、再度「ネットで真実を探して」、自説に都合の良い話を見つけようとする。都合のよい話を見つけたら、それを見て満足し、安心する。最近、このようなタイプが増えているように思う。

さらに、都合の良い話を収集して自己正当化するだけでなく、敵対する意見や、その発信者を罪もないのにネットの掲示板あたりで悪く書いて、鬱憤を晴らしたり相手に勝ったつもりになる。以前なら新聞の投書欄あたりで、読者の意見という名目で新聞社としては記事にできないのだが記載したい偏った意見や憶測を掲載する手法が見られたが、今ではネット掲示板のような自分から発信できるメディアが増えた影響か、その種の不安定な言論が幅を利かせて力を持つ時代になった。ネットでどれだけ勝ち誇ったツラをしたところで、現実社会の何も変化していないというのに。

こんなところにネット時代の悲劇があると思う。検索をするだけで、色々情報にアクセスできる。中には本当の内容もあるし、嘘もある。そんな大量の情報に有識者でなくてもアクセスできる。そうすると、本体はその情報を活用するだけの能力がないのに、大量の情報を手にできただけで自分が万能だと思い込んでしまうものが出てくる。そうすると、単に閲覧する立場で内容を吟味できないのに、発信者と同じ事が出来ると勘違いするようになる。その言動が妥当性を欠くとしても誰も注意しないし、注意されたとしても自己正当化する情報を探してきて、それを以って自分が正しいと言い張る。そして、一層殻に閉じこもる。

ネットで真実」にはまった人たちの末路は、単なるキチガイであり、社会的に誰とも意思疎通できなくなるということだ。彼らは、同じような考えの仲間を見つけて、それでも社会に抵抗するのかもしれないが、その仲間内でも意見の相違が次第に大きくなり、分裂する運命にあるだろう。無数の身勝手集団が各自、自己正当化する集団に過ぎないからだ。

かくして、ネットの言論は膨張して盛んになったように見えて、あるとき分裂・対立で一気に衰退してしまうのだろうか?