他人の悪口に接する時というのがある。ある人物と会話をしていると、そこで話題に上がった別の人物について、その相手が悪口を言い出す。
はっきり言って、注意したり、不快を表明すればいいのだと思う。だが、私はあえて別の路線を行くようにする。
そんな時には相手の話をさえぎらず、どんどん話させるのである。
こちらが黙っていると、なぜか相手はどんどん話をし出す。それは賛同が得られたと思ったからなのか、気まずい雰囲気になっているのを察知して正当化するためなのかは不明だが、とにかく饒舌に話す。
そして、次々と信じがたい発言が飛び出す。
こいつは、我々の仲間のことをこのように考えていたのか、ということが分かってくる。悪口を言われている理由も、大抵はその饒舌に語っている人物の身勝手な理由だったり、妬みやひがみだったりする。
相手にとっては悪口の対象なのかもしれないが、こっちにとっては世話になった人物だったり、悪意を抱く必要もない。
勿論、深い面識のない相手の場合もある。それほど面識がない相手のことを、一方の悪口だけを聞いて、それを元に相手についてを判断して取り扱うのも早計に思える。
こうやって、ある意味悟りが開けてくる。そして、悪口を言っている人物の正体も見えてくる。
そうしたら、その人物との交友関係はその時点で終わり。親しい交流は避ける。仕事の連絡も最小限の事務的なものにとどめる。あまり深いことを知られると、それをネタにしてよそで悪口を言い広められるかもしれないから。
交友関係を切るというのは、結構思い切りが必要である。だが、悪態が続くと、「こいつは関係を切ったほうがいい」という決心が容易につく。