めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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資格に夢想を抱くな

安易な起業と一緒に多いのが、資格を取ればいいという発想である。
そのような発言をする連中は、資格を取れば突然何でもできるスーパー人間になって、看板を掲げただけで仕事が次々入ってきて、金儲けができるなどという尋常ではないストーリーを思い描いている。
まず、資格はあくまで最低要件を満たした認定という意味であって万能人間になった証ではない。そのへんに普通にいる運転免許保持者だって、仮に遵法意識が同じ程度だったら、自動車運転をする時間に比例して運転技能や安全配慮も向上するのではないか。同じ人間が資格の免許証のあるなしで人間性から何からコロッと変わるなどということはまず無い。
また、資格講座が世にあふれている。特定の業種のように、所定の学校などで教育を受けないと資格試験を受けられない、というものは少ない。裏を返せば、誰にでも資格取得のチャンスが開かれている。そのなかでどうやって競合していくのか。
たとえば、すでに職を得ていて業務上必要になったので資格を取るという場合と、無職で資格を取ってから職を探そうとしている場合と、資格を職につなげるという意味ではどちらが有利だろうか。前者は業務の幅が広がるが、実務経験のない後者は机上の空論としての知識が増えたに過ぎない。そもそも、正社員に登用されて業務がこなせている人間なら資格を取得する能力はあるだろうし、新たに雇用するよりも社員に補助金を出して資格取得させた方が会社にとってもスムーズに業務に生きる。
だから誰でも取れる資格をとったところで、それが就職につながると夢想しているならばそれは違うのではないだろうか。もちろん、誰でも門戸の開かれた資格なのだからもったいをつけて看板を掲げたところで、競合する有資格者はたくさんいるので、それが即仕事につながるわけはない。さらには、一定の実務時間が資格取得要件となるものもあるため、無職者が資格を取って(以下略)という流れは尚更現実性を欠く。

資格への夢想は、安易な起業をあおる風潮と同じようにテレビが植えつけた妄想なのだろう。資格を取ればいいと思わせれば専門学校や通信講座の収益につながるし、なにより夢想を抱いている連中の現実逃避の手段として最適なのだ。