めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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思考を丸投げしないということ

物事の方針を決めなければならない場というのが何事にもあるだろう。その内容の軽重や事の大小はともかくも、他の人と物事を決めたり自分のことを決めなければならない局面というのはある。もちろん、「自分の人生は自分で選び取った」などということはほとんどなく、生まれた時代や地域の情勢や家庭の環境や経済状況によって選び取れる選択肢は変わるから、そこまで気負うほどの決定はできないのだろうけど、それでもこの世の中や各自の生き方は大なり小なり方針を決めて進んでいる。

そういった意思決定の場に割り込んでくる者がいる。そういった意思決定の場は大抵決まっていて、重大な事柄の決定とか、社会的に注目を集める決定とか、あるいは動くことによって社会的地位や多額の金銭が周囲に発生する人物が物事を決めるような局面である。割り込んでくる者はまず意思決定をしようとしている当事者ではない。当事者は既にどう決めていくかの渦中にある。そうではなくて、全く外野の単に目立ちたいだけとか、利益に与りたいだけとか、そういったどうしようもない下心で接近してくるような者である。

そして、彼らは意思決定に割り込んでくる割に、その内容に責任を取ろうとはしない。そもそも、意思決定に割り込んで主張をするのだが、その内容はまず無責任な言い放ちの内容が多い。それは、意思決定の場に出るのに相応しいだけの技能なり知見なりがあるわけではなく、それゆえに外野のポジションにしか居ることができないし意見を述べる者としては認定されていないのだから当然といえばそうである。

主張内容は思いついたような前後の脈絡も何もないような突拍子もない極端な内容である。それを言い放って得意面するのだが、そもそも実現性に乏しかったり極端で社会的に問題になるような内容をはらんでいる。まず相手にする必要はないのだが、無視しているとさらに騒ぎを起こして注目を集めようとすることもあるので、その主張内容の実現方法を聞いてみると、大体は「わからない」とか「誰かが何とかしてくれる」的な内容である。要するに、全く当事者意識が無いのにもかかわらず、よその意思決定の場に首を突っ込んでいたことが露呈するのである。

意思決定をしようとしている当事者たちは、無責任に言い放つ連中が丸投げしてる部分を埋めようと考えている。その部分の有無が当事者として意見を表明している者と、外野から無責任に言い放っている者の違いである。「誰かが」ではなく自分たちが、「何か」ではなく具体的な事柄、「してくれる」のではなく自分たちでする、そうでなければ打開しない事柄を切り開くために物事を決めようと悩んでいるのである。そこに割り込んできて中身のないことを言い放ったところで、それはノイズでしかない。

無責任な言い放ちをする者が排除されてから取る行動にも一定の流れがある。最初は意見を受け付けず、言いなりにならなかったことに対する恩知らずだとか社会性が無いといった人格批判が出てくる。次には散々入り込もうと必死だったくせに、その対象の見下しを始める。哀れだなどと下に見てみたり、あんなことをしていると貶めてみたり、散々意思決定を取り仕切って中心に立とうと狙っていて相手にされなかったのが現実なのに自分より下だという妄想の世界に入り浸る。

筆者が大学受験をしたころを思い出す。閉鎖的なクソ田舎で、地域の中のどこの誰かの子供だか孫だかが偉いのに、それよりもよそ者がいい大学を受験するのが生意気だなどと言って勉強を妨害したり家の近所でガラの悪い連中が徘徊したり、受験したら住めないようにしてやるだのと脅された。それでも無視して勉強をつづけた。狭い村の中が世界のすべてではないからだ。

嫌がらせは続いた。そして、諭してくる者が現れた。地元のみんなと一緒にすべきだの、大学は全てではないからあきらめて働けばいいだの口出ししてきた。しかし、そこは地元でも何でもないし、村八分のように仲間外れにしておいて大学受験をやめて同化するに値する仲間のみんなとはどこのだれか分からなかった。そもそも、働くにも狭い地域の中には就職先が無かった。大手企業は工業高校だの商業高校だのが推薦枠を握っていてそうでない学校から一から採用される手段はなかったし、よそ者が役場に就職する枠もなかった。それ以外の企業は暴力団まがいのチンピラが経営している親族経営のブラック企業ばかりで、そこだってよそ者を入れてくれるわけがなかったし、入ったら入ったで金から命からすべて奪われるのが目に見えていた。

排除しておいて地域内の会社に就職というのが矛盾している。要するに、大学受験をされると困るそれだけだと直感した。やたらと執拗に受験をさせないように説得してくる割に、受験以外の選択肢については具体的な物が無いことに気づいた。そこで、具体的にどこに就職するのかとか、合わせないといけない地域とかみんなとは何かと聞いたが、彼らは答えることができなかった。なんとかなるとか、一所懸命やればいいなどというばかりで、現実に即したことは何ら言っていなかった。

結局、ある寒い夜に着の身着のままで最低限の持ち物で家出同然にその地域から脱出した。荷物を持って引っ越しとなるとすぐに察知されて危害を加えられるからだ。そして、ほかの地域から社会的にまともな大学に進学して、その後職に就いている。上京や大学進学のことはどこからか漏れたらしい。多分、書類を出している高校からだろう。無責任に他人の一生を壊そうとした連中は、働いた方が親が喜ぶだの親不孝だの村人失格だの一生仲間外れだのと言っていたそうだ。彼らは閉鎖的な村ではよくある経済の行き詰まりで生活保護同然の定収入が一生固定していたり、そのブラック企業すらも倒産したり、親孝行どころか親を泣かせているとしか思えない状態のようだ。ちなみに彼らから排除されても何ら支障をきたさない。まともな人たちと付き合っているからだ。ここまで来るのに何年か要したが、そうなるのが分かっていたから回避したのであって当然の帰結だと思う。

学校の卒業式のシーズンとなった。コロナの影響で就職とか就業後の経済的な状況とか進学先やその先の道筋に不安を抱くものが多い。そういった不安時に他人を利用しようと近づいてくる悪い連中はいるし、つい引きずられて騙されやすくなる時期というのがある。そうならないために、考えを丸投げしている部分を埋める思考と行動を忘れない方がいい。