めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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格安高速バスに万全を求める人たち

「またか」と思うようなニュースがあった。深夜高速バスが大阪難波から東京へ向かう途中に空調機器が機能せず運行を打ち切ることにし、途中の京都駅で乗客を降車させて翌日新幹線で移動できるように運賃を渡してその場を去ったことに対して、一部のネットイナゴ軍団がバス会社の対応を批判したというものである。

批判されたバス会社は所謂LCC航空会社のような格安高速バスの会社である。ましてやニュースが報じられた時期は閑散期で運賃は東京大阪でも5000円もしないと思われる。安全に目的地まで行けるだけのバスと運転手の体制を最低限具備して、それ以外にかかるコストを減らして運転している。そのバス会社が、体調不良者を出さない様に配慮して、バス代に比べれば何倍もの新幹線代を支給した対応は対応としては過剰すぎて称賛に値する。

本来ならばバス料金だけ返金でもよかったし、所要時間が大して変わらない普通電車乗り継ぎ分の運賃だけでも良かった。静岡エリア以外では新快速や長距離の上野東京ラインが頻回運転されているし、高速バスの所要時間で我慢できる客ならばホテルやネットカフェで夜を過ごして普通電車で移動できるだろう。

バス会社の対応は常識の範囲内であるし適切だと思うのだが、それを批判する人たちが多いことに呆れる。「その支援の人材や機材はどうするのか」、「そのお金はどこから来るのか」といった基本的な疑問には思考停止してしまいには何とかすべきだと絶叫して丸投げ。安全な運行以外のコストを削っているから安いと分かっていて利用しているのに万全対応を求めるのは筋違いである。格安で運営されているシステムなのに支社や車両バックアップ体制が充実して、有事に青天井で補償金をくれる会社は無いから、徒歩で移動すべきである。

また、新幹線代にホテル代まで出して補償を手厚くすべきで、そうすれば将来の客に繋がるという主張もあった。もちろんそんな訳は無く、格安高速バスの客は安いからバスで移動するのであるし、その中でも最安値で選んでいるから大手鉄道会社やバス会社系ではないところの便を利用している。安いところを渡り歩いているのだから、ここで十分な補償をしたとしても、次回選ばれるのは価格サイトで安く表示される会社であり未来の客には繋がらない。

お金出さない人達ほど要求が多く、文句が多い。なぜか様々なところで似たような傾向があり、今回もその法則が発動している。しかも、今回の高速バスの故障トラブルの場合は補償をしたバス会社に対して乗客が恫喝や暴力に及んだために警察が出動して場を離れたというのが真相というから、なおさら最悪である。

数年前に台風で成田空港に客が取り残されたときに、大手航空会社が自社便の客に機内食を配った。その際にLCCの客が自分たちにも寄越せと騒いで、ネットで必死で大手航空会社を批判する書き込みをしたことがあった。その時も機内食を寄越せば感謝して将来の客に繋がるだのと書かれていたが、もちろんそんな訳は無い。欠航で余ったから本来機上で食べるはずだった客に空港で渡したに過ぎないし、余分を作る能力は無いし台風の中で余計な労働や調達をすることがそもそも無理だ。

乞食の貰いは社会の余分を超えないのである。