めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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論破病は身を滅ぼす

一部のネット芸人の影響なのだろうが、他者の発言の言葉尻を捕らえて揚げ足取りを片っ端から行い、論破したと満足気に振る舞う行為に及ぶ者がいる。私はこれを「論破病」と呼んでいる。論破病にかかると思考が訂正不能な方向になり、周囲は救い出すことができず距離を置かれ、本人は人間関係や社会的立場を失って破滅することになる。

論破病にかかる人たちは大体決まっている。自己肯定感が低くて、それに繋がるような特技とか他者から評価を得るような魅力がないのだが、見栄っ張りで自己顕示欲は強い者である。そういった者は、物事を論じることのできる立場にいない。論じている当事者たちのように、物事それ自体に対しての知見がそもそも無いし、当事者の視点も無い。背後の歴史的・社会的・科学的データーなどに基づいた話をすることもできない。だから物事の話をしているところに首を突っ込んでも、本来であれば何ら意見を述べることはできない。しかし、そこで目立って虚栄心を満たすために繰り出す技が論破である。相手の話のどうでもよい部分で揚げ足取りをして話の流れを止めたり、結論部分で無くなればよい死ねばよいといった極論をぶち上げる。

似たような連中を私は知っている。私は常々移転前の前身のブログのころから、他者を否定して自分の立場を作ろうとする者を批判してきた。自分にとりえになるようなものが何もないのに、他者からの評価を得て目立ちたいという見栄のために片っ端から目の前の物に否定形をつけて堕とすことで何かしら大層な言説でもって他者より上に立った気分になる行為は、実際は内容が浅くて中身のあることを何も言っていないし、何よりも物事を生み出している者に対して何ら上の立場にはなっていないし、現実の自分の立ち位置に薄々気付くとその取り繕いのためにありとあらゆるものを否定し続けなければ自己を保てなくなる中毒性があり最後は人格が荒廃するという点を指摘してきた。

論破病の者も似たところがある。物事についての話が進んでいるところに割って入って、参加するに値するだけの資質が無いのにその場の主導権をとりたいばかりにどうでもよい内容に対しての揚げ足取りを行い、極端な主張をする。そもそも、話に参加する資質が無いので何を反論しても話は平行線になって会話が成立しないし、そもそも頭が悪いので話の内容がどんどんと飛躍して何の話をしているのかわからないところまで行く。それに対して周囲の者は当然何を言っているのかという雰囲気になり、しまいには話は進行しなくなる。そうすると、話に割って入った当人やその仲間たちは素晴らしい主張で論破してやったとホクホク顔になるのだが、実際は見当外れな内容で話が通じないので相手にしてはいけない危険でおかしい人物という認定をされているのに過ぎない。

かくして、論破病の者はそのコミュニティからは排除されるのだが、彼らは自分たちの主張が絶対的に正しいので追い出されたと他罰的な思考しか持っていないから、なにかしら巨悪に勝ったような気分で他の自己顕示に最適なコミュニティを探して、そこでも同じようなことをして場を荒らすを繰り返す。それに対して、時々は丁寧にデータをあげたり背景を説明して反論するような相手もいるのかもしれないが、そもそもの目的が物事を論じて最適解や解決策を考えていくことではなく、相手を論破して勝った気分になり虚栄心を満たすことなので話は通じずに終わる。

こうして話が通じない奴という共通認識を社会的に広く持たれて、どこでも相手にされなくなる。かといって、あらゆる場で論破ゴッコをしているわけではなく、どうやっても上の立場に立てないような強い相手の前では従順を装ってコソコソと振舞う。その立場は窮屈であるから、鬱憤を晴らすために自己顕示欲が膨大化する。そして、自分の周囲の人間関係を論破病で潰した後は、その辺の人たちに所かまわず言いがかりをつけるようになる。世の中を見渡してみると立場上言い返してこなさそうな接客業や医療従事者などがいるし、最近はネットでSNSを通じて著名人からその辺の一般人まで自分の考えを述べている場にアクセスできる。そうすると、彼らをターゲットにして論破ゴッコを始める。

SNSはスルーしたりブロック、通報・凍結という方法がある。店舗などでも出入り禁止や退去命令に従わない場合は警察対応がある。医療機関は病気を口実にすれば診察拒否されないように一見みえるが、自説の開陳に終始して療養指導に従わない者は診療行為の契約が成立しないので診察拒否や出入り禁止は成立しうる。いずれの場合でも、本人は論破ゴッコで大層なことを言ったつもりになっていても、言説に何らなかみを伴わないから陰では笑われている。これを読んでいる者で論破病の者がいたら、それは自覚しておいた方がいい。そして、満足げに彼らが去った後で、よくネット掲示板にあるキャラクターのやる夫の「キリッ) だっておwww」のアスキーアートのように嘲笑されている。それが現実であるし、そんなものだというのがこのエントリーを見たら理解してもらえるだろう。