めぐろぐ

飛行機は初代塗装の日航DC-8が好きです。ちなみに飛行機の話題はゼロです。日常生活の雑多なことを記載していきます。

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闇金ウシジマくんの漫画に学ぶ格差社会の脱し方

いわゆる生きている世界が違うというやつなのだろうが、近頃Youtubeを見ていて良く出てくる「ウシジマくん」という漫画の世界観がどうも理解できないし共感もわかない。作者は取材していたりモデルの人物があちこちいたりするようなので、全く虚構な話というわけでもないようである。そしてドラマが制作されたりして、支持している人たちが一定数いるわけだ。それでもどうにも理解できないのである。

理解できないのは漫画ではなく、それに出てくる社会の底辺みたいな人たちの世界観である。教育歴も中学卒業だったり高校卒業程度だったり、学歴が全てではないという人もいるのかもしれないが、それにしても狭い視野しか持たないで年齢だけ重ねたような人達しか出てこない。生きている世界があまりにも狭すぎて、半径数百メートルの中の上下関係が全てである。それでつけられる優劣は中学時代に喧嘩がが強かっただの、不良の武勇伝だの、犯罪自慢だの暴力団とのつながりだのといった話ばかりである。

いつまで中学校でどうしたこうしたという話を引きずるんだろうとか思うのだが、社会の底辺の一生は中学校で決まるのだろう。それは、今日本全国のあちこちで起こっている地方の衰退とか、社会の底辺が経済的に次第に詰んでいることとあながち無関係ではないように思われる。

年齢を重ねるにつれて、自分の周囲以外に広がっている広い世界のことを知って、今の自分の現状を自覚する。これがスタートラインで、そこから今よりも学業だの仕事の技能だのを上積みしていってこれまでよりも上の段階を目指す。それは進学だったり、職業上の研鑽だったりする。ところが、社会の底辺の人たちにはそれがなく、まるで老後の年寄りのような生活を毎日繰り返す。毎日漫然と出勤して、これまで通りの内容を単純作業のように繰り返し、そこに何の積み重ねもステップアップも無い。そうしているだけでお金がもらえるのでそれを繰り返す。賃金を出しているのは誰か分からないが、暴力団と大して変わらない地域の上下関係の上位者だったり、仕事にあぶれた者へのニコヨン的な公共事業かもしれない。とにかく、その仕事を続けている限りは雇用者がそもそも筋が悪いので一生昇進することも無く最低賃金以下で酷使されて終わりである。

しかし、その仕事をやめようにもやめられない。ひとつは毎日だらだらと同じことを繰り返していればそれでよくて、余計な勉強や研鑽をしなくて済む。そして、他の地域に出ようにも学歴も技能も無いので社会の底辺が就く仕事しかないが、他の地域にはびこっているチンピラ集団の優劣関係の中にいないので仲間に入れてもらえないし、せいぜい一生下っ端として突かれて終わりである。だから外に出て勝負することがない。

かくして、外部の世界との出入りの無い社会の底辺のコミュニティは経済的に停滞する。高度人材の無い地方だと地域全体が社会の底辺コミュニティなので地域が停滞していよいよ衰退する。だが、高度人材になろうとする者がいないし、そういった人たちを育てようともしないので衰退はずっと続く。

こういった伸びしろがない地域では、仲間内での騙しあいや奪い合いが横行する。それこそウシジマくんの世界である。上下関係での搾取とか、人のつながりを介して相手を騙して搾取したり奪う。それから、どうせ底辺ばかりで本物はいないので、本当は何の資格も無いのに経済的なことや医療のことや法律のことなどで専門家ぶったり本職とのつながりをアピールして、でたらめな内容で相手を騙す行為も横行する。そこには暴力団との関係を匂わせた脅しもある。その中で社会の底辺の人たちは一生搾取され続ける。

ウシジマくんの漫画に共感している人たちの世界から出れば、社会の閉塞感だの格差社会だのの呪縛から逃れることができ、精神的にも経済的にも身体的にも自由に生きていけるのである。